第4話

その新聞記事によると、霊子さんはひき逃げをされ、全身を強打し即死。ひき逃げ犯は数日後に捕まったそうだ。


その記事をスマホで撮影し、食堂のおばちゃんにお礼を言いすぐさま食堂を後にした。


「やっぱりか…」


霊子さんが亡くなっている事はもちろん覚悟はしていた事だった。最近じゃ生き霊(いきりょう)の可能性だってありえるんじゃないか、なんて自分に言い聞かせていたくらいだった。

でも新聞は事実を語っていた。知らなくても良かった事実を…


さすがにその日は精神的ショックが大きく、帰宅してすぐ寝てしまった。



ん?ここはどこだ?見慣れない交差点だ。横断歩道を渡ろうとしている人がいる。

あ、あれは…霊子さん??一人なのにとっても楽しそう。誰かと通話してるのかな?

んっ?車の音が…近づいてくる?


「霊子さんあぶなーーい」


自分の叫び声で目が覚めた。霊子さんが事故にあう寸前の映像を、夢として見ていたようだ。


しばらく震えとドキドキがおさまらなかった。

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