第2話

さすがに更新までの2年間、この状況はツライのでその霊と話してみようと決心した。


意を決してその霊に話しかけてみる。

「あの〜、なぜここでうずくまってるんですか?」


すると霊は自分が見えている事にビックリした様子で顔をあげた。

恐る恐るその霊の顔を見てみると、若くて綺麗な女性だった。


ホッとした俺は、さきほどの質問をもう一度してみる。

霊は声を出そうとするが声は出ず、首を縦や横には振れるようだ。


質問を変えてみた。

「ここはあなたの家だったんですか?」と言うと、その霊は首を横に振った。


その霊を【霊子さん】と呼ぶようにして、毎日のように色々な事を聞いてみたが、霊子さんの答えはほとんどがハッキリしなかった。


そんなある日の事、いつものようにテレビを見ながら夕飯を食べていると霊子さんが急に泣き出した。


テレビに写った場所は、ボランティア活動が盛んな大学だった。

霊子さんに、ここに通っていたのかと聞いてみると首を縦に振った。


急いでその大学の名前をメモして、パソコンで検索してみる。霊子さんも釘付けになって見ている。やはり霊子さんが通っていた大学のようだ。


色々調べていくうちに、そこの学生が良く出入りしているという食堂を見つけた。

そこに行けば霊子さんの過去が分かるかもしれない。俺はそこに行ってみたくなった。

アパートからさほど遠くない場所にその食堂はあるようだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る