第3話 天文部
次の日
「流星今日の放課後空いてる?本屋寄ってかない?」
「あーいいよ!俺も四等分の花嫁の新刊買いに行きたかったんだ」
「おー同じく!いいとこで終わったから次が楽しみだよな!」
「流星は誰推しなの?俺はもちろn…りゅ、流星後ろ…」
春翔が少し気まずそうな顔をしている。
振り返るとそこには国木田さんと吉川が立っていた
「「み、や、む、ら、君」」
二人は眉がひくひくさせ噴火3秒前だった
おおよそ予想はつくが、つくが!が!g!
いや断じてとんずらをかまそうとしたわけではない。帰宅部歴の長い俺だ、ついいつもの癖が出てしまっただけだ。
「ご、ごめん忘れてた、部活に入ったことすら忘れてたよ…」
「しっかりしてよねみゃむら!」
「わかったって、放課後ね!放課後!」
むくれっ面を浮かべ二人は去っていった
おそらく俺は将来尻に叱れるタイプだと悟った。
へいSiri!幸せとは…
「あーーービビったー。てかすっかり忘れてた」
「流星部活入ったの?」
「ほぼ強制?あの空気で断れるほど鉄の心臓装備してねーよー」
「あの空気?なんかあったの?てか、何の部活なの?」
昨日の事を春翔にすべて話した
「まーよかったじゃん!国木田さんに絵麻ちゃんってこのクラスのツートップじゃん!それになんかロマンティックな部活じゃん!俺も入っちゃおうかなー」
「まじ?春翔が入ってくれると俺も助かる!」
「でもまだ帰宅部はやめれないなー。でも考えとくな」
絶対考えない。絶対入る気ないな。
そう思った今日この頃。
そして授業も終わり放課後
特別棟にある天文部の部室へ向かう
相変わらず放課後の特別棟は物音もなく静まり返っている
そもそも天文部って何するんだろう…
運動系の部活以外だと女の子がゆるくバンドしたり
音楽室でお茶したりするくらいしか想像できないなー
でも天文部だし星見たりするのかな?
ん?星が見れるのって夜だよな
部活中に見るの不可能じゃね?
ま、星が見れないなら活動もできないし楽そうでいいか。
そんなことを考えているうちに
部室の前についてしまった。
扉を開けるとまだ国木田さんしか来ていなかった
「ど、どうも」
「早かったね宮村君」
「えっと、吉川はまだ来てないの?」
「絵麻ちゃん今日掃除当番だったから遅れてくるみたいだよ」
「あ、そうなんだ」
、、、..........
か、会話が続かない…女の子と話す機会が最近なかった上に相手は国木田さんだ
緊張して自然に話ができない…だめだ、がんばれ俺!やるんだ宮村流星!
!!!!コミュニケーション能力全開!!!!!!!!
「あ、あのー…」
「ん?どうしたの?」
「きょ、今日はいい天気ですねー」
あーやばい何故か敬語になってしもうた
だめだ!界隈のキャッチボールができない
壁打ちの練習するべきだったか…
すると国木田さんはくすっと笑みを浮かべる
「宮村君は優しいんだね」
「え、なんで?全然だよ…」
「気まずくならないように一生懸命話そうとしてくれるし、天文部に入ってくれて廃部も救ってくれたし、それに….......」
やば嬉し。嘘でも嬉しい。でも、それに…の先が気になる
なんだこの間は「それに????」と聞きたいところだが
さすがに前のめり過ぎて気持ち悪い。
待て。待つんだ俺一旦落ち着くんだ
すると国木田さんが顔を少し赤らめて話の続きを切り出す
「それに…勘違いだったけど、私のために先生にあそこまで言ってくれるなんて、あの時私凄く嬉しかったんだ。ありがとね」
あまりの嬉しさに言葉も出ず、顔を赤らめながら話す国木田さんがあまりにもかわいくて見とれてしまっていた。
すると部室の扉があいた
「ごめん遅れたー」
少し息を切らしながら吉川が現れた
毎度毎度なんてタイミングの悪い奴だ。狙ってんのがこいつ。
いい雰囲気だったのに。とんだお預けだ。犬の待ての気持ちがわかった気がする。
「お疲れ様、絵麻ちゃん!さてと、3人揃った事だしとりあえず天文部の活動内容とか説明しちゃおうかな。うちの高校の天文部は望遠鏡も何もない弱小天文部なんだ…だから星を研究したりとか難しいことはできないんだ。だから活動って言ってもみんなで星がきれいに見れる場所を探して見に行くくらいかな」
「そうなんだ!思ってたよりあっさりした活動内容でなんか楽しそうだね!」
「でも星って夜しか見れないだろ?どうするんだ?」
「そうなんだよね・・・だからこの書類に親御さんの同意がいるんだ、今日親御さんに渡してもらえる?その書類さえ出せば時間外の部活動の許可が下りるんだ。」
「わっかたよ!絵麻のママ反対しないと思うし明日持ってくるね!」
「ありがとね絵麻ちゃん、宮村君の家は大丈夫そう?」
「家も大丈夫だと思うよ」
「それじゃ明日この書類にハンコもらってきてね!」
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