第2話 突然の…入部!?
午前の授業も終わり昼休みになった
「流星学食食べに行くの?」
「いや、弁当持ってきた」
「そっか!なら俺は学食食ってくるかー。にしても流星の親父さんすごいよなーいつも絶対弁当作ってくれるもんな。おっ卵焼きもーらいっ!」
「ちょっ、おま」
逃げるように学食に走っていった
教室を見渡してみるとこの学校は学食が安くておいしいからなのか
教室で弁当を食べる人が少ない
あっ…国木田さんも弁当なんだ…
にしても本当にかわいいな国木田さん…
国木田さんが彼女だったら幸せだろうな。
いやまて、数々の学校のイケメンたちが国木田さんに告白して玉砕している。ということはB専なのかもしれない。ということはだ、俺にもチャンスがあるのでは?
……んなばかな
もうすでに彼氏がいるとかそんなとこだろう
っ!?目が合ってしまっ
咄嗟に顔を伏せスマホに目を向ける
画面は真っ暗だ。スマホは目線をそらすアイテムとしても優秀だ
なにやってんだよ俺…
そして午後の授業も終わり帰ろうとしていた所、担任に帰宅部だからと特別棟の会議室に書類を運んでほしいと押し付けられた。
しぶしぶ引き受け特別棟に向かう
放課後ということもあって特別棟の廊下も教室も異様なまでに静かだった
会議室までもう少し。さっさと済ませて帰るか。
「ちょっと待ってください先生!」
ん?
会議室の隣の教室から声がする
何かただならない雰囲気だ。扉の隙間から覗いてみる
するとそこにいたのは国木田さんと安田先生だった
え、まてまてもしかして国木田さんの彼氏って先生なの?
「先生…私諦めませんから…絶対にあきらめません」
涙を浮かべながら必死だ
「そんなこと言われても困るんだよ…」
え、まさか修羅場?
しかも国木田さんが振られてる?
おいおい、どんな展開だよこれ
「あ、みゃーむらーー」
廊下で誰かが呼んでいる
やばい、話聞いてたのばれる
彼女は吉川絵麻。同じクラスで自己紹介の時噛んでみゃむらと言ったのをいじってくる
よくわからん奴だ、とりあえずこのイレギュラー女を黙らせないと
目からビームでも出るのではないかという勢いで
彼女を睨みつける
そして人差し指を口の前に立て「シーーーーーーーー」
彼女は不思議そうにこっちに来た
俺は教室の方を指で指した
彼女は不思議そうな顔から一変、驚いた表情を見せる
「みゃむら、なんで国木田さん泣いてるの?」
「おそらく安田に振られたんだと思う…」
「え?????」
バンッ
その時驚いた拍子に吉川さんが扉に頭をぶつけてしまう
「ちょっ、ばか」
すると安田がこちらに気づいた
「誰ですか?」
扉を開けられ俺らは目をぱちくりさせる
「どうしたんですか?宮村君と吉川さん」
驚いてのどが塞がり声も出ない。出るのは大量の冷や汗のみ
沈黙に耐えられず吉川さんが口を開く
「女を泣かすのは先生でも許さないよ」
吉川さんに便乗して俺も口を開く
「先生と生徒の恋愛だっていいじゃないですか。国木田さんも泣いてまで気持ち伝えてるんですよ、もっと向き合うべきです」
「そうだよ!私たち、この事は誰にも言わないし!」
安田先生は目を丸くしていて鳩がビーンズを食らったような顔をしている。
むしろ頭の上にハテナが見えた
「君たちは何か誤解をしていますよ…僕が顧問をしている天文部なのですが、去年の三年生が引退して部員が国木田さんだけになったので天文部は廃部です。という話をしていただけですよ」
確かに嘘を言ってる挙動はない。
ということは…
「う、うううううそだー!?でもなんでわざわざこんなところで?」
「ここ天文部の部室なので…」
おいおいまてまて、とんだ勘違い野郎でしたってオチかよ。かっこわる
恥ずかしすぎて顔から火が出そう。
ヒーロー気取りの盗み聞き野郎とか
四捨五入したらストーカーじゃん
さっさと頼まれごと済まして帰ろう。
その場から立ち去ろうとした時、今まで黙っていた国木田さんがようやく口を開く
「あ、あのー…宮村君って星とか興味ないですか?」
「え?星?星かーきれいだなとは思うけど…どうして?」
「名前が流星…だったから…」
いきなりのイレギュラーに戸惑ってしまった。
でも流星とゆう名前だけで星がどのこのってそんなわけないですよ。国木田さん
「あ!そうです宮村君と吉川さん帰宅部でしたよね?天文部に入部してみませんか?だらだら学生生活を送るよりも、なにか部活にはいっていた方が何倍も楽しめると思いますよ!国木田さん!よかったですね!」
「っと先生!俺まだ入るなんて一言も言ってないんですけど!な、なー!吉川も言ってくれよ」
先生の唐突な提案に驚きを隠さず
ここは一旦吉川に任せる
「別に私は入ってみてもいいかな!確かに部活に入ってみたかったし!帰宅部退屈だったんだよねー!」
おい吉川!吉川さん!!
思ってたんと違う!違うよ!……
でも確かに吉川の言ってる事もわからなくもない。何か新しいことを始めようとしていたけど
特にやりたいこともなく現在に至るわけだ。
なにせ国木田さんがずっと星のように目を輝かせこっちを見ている
断りずらい。ここで断れば確実に嫌われる気がする。
仕方ない俺も男だ。腹をくくろう…
どうか神様…お手柔らかに…
「わかりましたよ。俺も入りますよ」
宮村流星、不本意ながらも天文部 入部
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