雨夜の流星群
よっしー
第1話 プロローグ
突然ではありますが、皆さんはどんな高校生活を送りましたか?あるいは、どんな青春をしましたか?
案外入学したらこんなもんかって感じですよね。
パッケージ詐欺ですよ!パッケージ詐欺!
高校生活ってもっと彩り華やかなんじゃないの!?
この物語は、4月が持つ特有の新生活の始まりの高揚感に乗せられ期待と希望を抱きすぎた
拗らせ16歳宮村流星の…っと
あまり冒頭で長々と語るのは好きではないのでここらへんで。
それでは
始まり始まり~
4月○○日 月曜日 午前7時
「でんでんでんでーでででーんでーででーん」
静かな部屋にアラーム音が流れる
気怠げにもそっと動きアラームを止める
そして時計を見つめ猫の様にグーッと伸びた後
カーテンを開け、「ぱんっ」と顔を叩きやる気を入れる
これが俺の朝のルーティーンだ
だが、今日は少しいつもと違うのだ。
なんせ今日は高校の入学式なのです!!
高校生になったら友達いっぱい作って、屋上でお昼食べて、彼女も作って制服デートとかしたい!!
なんて妄想を浮かべながら階段を駆け降りていく
心なしか階段を降りる足音がいつもより少し踊っている
キッチンでは親父が手際よく朝ごはんの準備をしていた
「おはよー。おいしいの頼むよー」とゆうと親父が
にんまりとこっちを振り返り親指を立てた
小学校低学年の時に事故で母を亡くして以来親父が家事全般をやってくれている。最初の頃は食えたものじゃなかったけど、慣れなのか親父の頑張りなのか今では好きな味である。
今では母が経営していた喫茶店も親父一人で切り盛りしている
身支度を済ませ、鏡の前で自分の制服姿に笑みをこぼす。
そして仏壇の前に立ち「母さん、今日から俺も高校生だよ!彼女つくっt…じゃなくて勉強がんばるよ!」
母にしっかりしなさいよと睨まれた気がした…
「おーい流星、時間大丈夫か?」
「やべっ、いってきまーす」
慌ただしく扉を開け家を出る。
初日の登校スタート!もっとゆっくり登校したかったけどこれも案外悪く無いな。まだ少し冷たい風、公園に咲く桜。こんなに綺麗だったかな?高校生になっていつもみていた景色がより一層カラフルに見える気がする。それに走っているだけなのになぜかすごく青春している感じがする
高校生最高!!グッジョブ青春!!
無事学校に到着。走って心拍数があがっているのか楽しみすぎてドキドキしてるのかわからないが異常な程鼓動が速い。
そして入学式。
長々と校長の話しやら来賓紹介やらをしている間に
キョロキョロと未来の彼女候補を探していた。
そして新入生代表挨拶
「新入生代表 国木田 伊織」
「はいっ」
周りがざわつき始めた。何だと思ってみてみると
そこには、はっと目を引く美女が壇上に向かっていた
すらりと伸びた足につややかな黒髪、そして大きい目にぷっくら膨らんだ涙袋。8頭身はあるであろう顔の小ささ
正直この時、なにか喋っていたけれど
天使のように美しく眩しい彼女に見惚れてしまい何も話しなんて入ってこなかった。
でもわかっている自分みたいなモブにこんな美少女とラブコメ展開などないと。すぐに現実に戻りまたきょろきょろとし始めた。
そんなこったで入学式も終わり
教室へと入る。1-2ここが俺の教室だ。
席に着くと担任が挨拶を始めた
「一年間このクラスの担任になりました、安田です担当教科は現国、30歳独身趣味はネットサーフィンですゆるく行きたいと思います〜」
担任ガチャはおそらく当たりだ。
ちょっと気になるところわあるけど当たり障りのなさそうな優しそうな先生だ
一通り説明があった後今日は下校となった
記念すべき高校生活1日目特に何もなく終了。
特に…何もなく…
「でんでんでんでーでででーんでーででーん」
何度も聞きなれた音楽が部屋に流れる
「時間だぞーそろそろおきろよー」
「へいへい」
「もう二年生だぞ、しっかりしなさい」
「へいへい」
親父に小言を言われながら身支度を済ませ家を出た
「おーーい!りゅーせー!」
ん?
「これ忘れてるぞ」
親父が弁当を持って走ってきた
「ほら走らないと間に合わない時間だろ!」
「親父こそ店開けなくていいのか?」
あっ!とした顔をして戻っていった
学校へ向かう、何度も見慣れた景色
一年前はこの景色見て走ってるだけで楽しかったのになー
何がカラフルなんだよ、、あほくせ
一年の時俺は漫画やドラマのようなTHE青春!!
みたいな学校生活はないと気づいた
楽しみにしていた分ショックは大きかった
それから何か新しいことを始めようとしてみたけど特に何か行動に起こしたわけでもなく
ただただ時間が過ぎていくだけだった
新学期が始まってクラスも変わる
教室に入るとがやがやと騒がしい
「こいつら浮かれてんなーとかおもってんだろ?」
「ん・・・?なんだ、春翔も同じクラスか」
「相変わらずだなー流星わ。新学期ってワクワクするもんだろ!一年前のお前はどこに行ったんだよ」
「現実見てるだけですー」
「そもそも流星の思う青春ってなんなんだよ」
「それは…屋上でご飯食べたりとか…曲がり角で美少女にぶつかるみたいな…」
「あっはっははははベタすぎるだろ」
「ま、まー美少女とぶつかるは無いにしても、屋上くらいは出入り自由にしてをしいもんだよなー」
こいつわ中嶋春翔、好きな漫画が同じという共通点で唯一高校で仲良くなった友達だ
「にしてもえらく騒がしな」
「おそらくあれだよあれ…」
「なんだあれって…あーなるほど」
春翔の目線に合わせてみるとそこには
やかましいサルども(陽キャ)に囲まれた国木田さんがいた
「相変わらずの人気だよなー、流星の青春の相手に国木田さんはどーよ」
「馬鹿にしてんのか?俺みたいなモブキャラには眩しぎるっつーの」
「はーーーーい!席についてくださーい」
そこに安田先生がやってきた
「お!流星担任安田じゃん!あったりー!」
「二年連続か…まー悪くない」
安田先生のテンプレ自己紹介も終わりクラス全体の自己紹介タイムになった
正直この時間はあまり好きじゃない、自己紹介した後の微妙な空気と拍手少なさから
人気がないことを痛感してしまうからだ。この気持ちに共感できる人は少なくはないはずだ。
「国木田伊織です。よろしくお願いします」
拍手喝采だ。一言言っただけなのにこの拍手、、、
人気者とは恐ろしい
「吉川絵麻でっす!一年間よろしくでっす!」
並くらいの拍手だ。でも本人はなぜか満足げだ
「中嶋春翔です。よろしく~」
割りと拍手は大きめ、春翔は優しいうえに男の俺から見てもイケメンなので裏では女子にそこそこ人気があるらしい
そう思うと春翔くらいのやつが俺と仲良くしてくれているのが不思議だ
ついにやってきた地獄の時間、、、、
「み、みゃむr、、、宮村流星です。よろしく」
うわ最悪、噛んだ。恥ずかし、え、恥ずっ。それになんと弱弱しい自己紹介だろうか
顔を隠したいところだが無表情を貫く。
拍手はパラパラと聞こえてくる。まーこんなもんだろう、、、
「はーいそれじゃー授業はじめまーす」
俺が噛んだことなんて興味ないですと言わんばかりに何もなっかたかのように授業が始まる
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