第37話インテルメッツォ-37 必定/必要
「ほほうぉ、それはまた何ともご立派なお言葉でいらっしゃいすねぇ。そしてこれはまた随分と多く、ではなく大きく出たものですねぇ。それ程までに御大層な自信は、一体何処から湧いてくるのでしょうかぁ? ああ、これが俗に言う、男性の自信と己自身の大きさは等しいというものなのでしょうかぁ。だとしたら、あなたは相当なものをお持ちになっておられますねぇ。まさしく天を衝くとはこのことですよぉ。けれど使い処がないことだけが玉に、あとは竿に傷と言うべきでしょうかぁ。わたしには想像することしか出来ませんが、途轍もなく痛そうですねぇ。思わずお腹の下が痒くなってしまいます。それにしてもですねぇ、自分で殺した相手を死して尚愛し続けるなんていうのものは、とてもわたしの好みなのですよねぇ。そういう救いようのなさが、実に
己の言葉を真っ向から否定されても、少女は些かも動じはしない。
不快も、不平も、不満も、そのような風情は露ほども見せることはない。
ゆっくりと、だが着実に伸びてくる魔王の影が、自分のもとへと届くまで待ちきれないとでもいうように。
「出来るさ、
一切の気負いも
少女の言葉に気圧される様子など微塵もなく、そこには畏怖も怯懦も見えはしない。
「くふふ、それはそれは頼もしいことですねぇ。して、そのお心は? 如何な根拠を以てそのお言葉はあるのでしょうかぁ?」
少女の問いに対する答えは簡潔にして明瞭。
童に道理を説くが如き親身なる口調を以てして、極めて自然に魔王は己の極めた必然を叩きつけた。
「そんなものは必要ない。ただ俺がやると言っているのだ。それが結果となるのは当然というものだろう。それとも
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