第32話インテルメッツォ-32 敗者/背斜
「くふふ、これはこれは失礼致しましたぁ。そして大変申し訳ありませんでしたぁ。今のは口が滑りましたねぇ。興が乗ると上の口まで滑りが良くなってしまうのが、わたしの困った癖ですねぇ。きしし。ええ、そうですよぉ。ご心配には及びませんよぉ。勿論、あなたが仰りたいことをわたしはちゃ~んと承知しておりますよぉ。当然、あなたが何も言わずとも、わたしはし~っかりと理解しておりますようぉ。ですから、あなたは何も言葉にしなくても宜しいんですよぉ。あなただけに限って、そんなことなどあるはずがないのですから。それくらい、とうの昔から存じ上げているのですからぁ。さぁてぇ、あなたが勝敗は決したと仰るのですから、お互いに義務の履行と権利の行使の時間と参ろうではありませんかぁ。それでは礼儀としてわたしから、敗者の義務から果たしていくとしましょうかぁ。けひひ。ではぁ、わたしはあなたに、一体何をして差し上げるべきなのでしょうかぁ? 先程はお断りの言葉を口にしましたがぁ、わたしに出来ることでしたら出来る限りのことをさせて頂く所存ですよぉ。それこそあなたのひと声さえあればぁ、喜んであなた自身を口にさせて頂きますようぉ。それはもう誠心誠意、わたしの心の全てを込めましてぇ。あなたに悦んでさえ頂けるならこの非才の身の全てを以て、あなたに尽くし奉仕することをお約束致しましょう。ですからぁ、
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