第62話 どうしても克服できない食べ物

 この世のものとは思えない食べ物、チーズ。

 私は幾度もこの食べ物に悩まされ続けてきた。


 どうもこの食べ物だけは受けつけない。


 理由は定かではないが、親の話によると、幼い頃は美味しそうに食べていたらしい。

 それでどうして食べれなくなったのかと親を問いつめてみたら、『あまりにも美味しそうに食べていたからイタズラしちゃったら食べなくなっちゃた、てへぺろww』とな。


 何でそんなことするんだよ、トラウマ絡みじゃないかー、てへぺろじゃないだろ!


 はあ、はあ……。

(酸素吸入)


 そんなわけでチーズは苦手です。

 何であんな独特な味がするのかなと思っていたら腐っているんですね、発酵食品なんですね。


 発酵、のこった、のこった!


 でも何ででしょうね、納豆やキムチは平気なんですよ。

 美味しいですよね。


 だから何のイタズラで食べなくなったんだよー!


 はあ、はあ……。

(森林浴中)


 チーズ、匂いも苦手なんですよね。

 何でしょう、ツーンと鼻を抜ける嫌な匂い。

 もしや、DNA自体が受け付けていない?


 ちなみに好き嫌いができる理由は脳と密接に関係していまして、体に毒だと感じ取った脳の部位がその物を嫌いにしてしまうそうです。


 何だ、じゃあ毒なら無理に食べる必要はないか。

 体が毒だと認識しているんだから。


 よっしゃ、問題解決。

 これで明日からのびのびと過ごせるな。


『ちょっと、待ったー‼

もしもこんなことがあったらどうする?』


『レストランで大好きなスパゲティが出されても、表面に粉チーズがどっさりのっていたら?』


 いや、チーズ勝手に盛るなよ。

 でもお金出すんだからしょうがない。

 半べそになりながら食べるか。


 そうやってチーズ嫌いを克服していくのか。

 いまだに克服できてないけど……。


『ちょっと、待ったあぁー!

 もしもこんなことがあったらどうする?』


『コンビニでポテチを買おうとしたら品切れでピザポテトしか置いていなかったら?』


 ちゃんと発注してよ。

 じゃあね。


『何も買わずに帰るんかい‼』


 だってさ、ピザポテトはね、チーズの固まりだからね。

 袋開けた瞬間からヤバいよ。

 もしも目の前で恋人が食べていたら縁切るわ。


『それならばその恋人からクリスマスケーキを貰えたらどーする?』


 ふむ、チーズケーキときましたか。

 あれも強烈なんだよね。

 一口食べて石鹸かと思って放置した記憶がある。


『捨てたとは言わないんですね……』


 今、この瞬間も様々な方がこの文章を読んでいるからね。

 食べ物は粗末にできんのよ。

 むしろ、そのチーズケーキを石鹸と思い込んで洗い場に置いてみればいいかも?


『腐るやん』

 いや、チーズはもう腐ってるやろ?

『生地が腐るやん』

 ああ、中身の問題ね。

 大丈夫、責任もって展示するから。

『腐っても飾るんかい‼』


 さて、チーズマニアな友との交流もこれまでにしまして。

 苦手なら無理して食べる必要はないですよ。


 克服したいのか、食べたくないのか、最終的にはあなたがどうしたいかです。

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