第50話 小説を書く途中でスランプになったらどうするか
小説を書いているうえでどうしても訪れるスランプという状況。
今までスラスラと文章が進んでいたのに、いきなり起こる現象ですね。
頭の中ではうまく想像できていたのに「何でやー、先が分かんないー!」
我を忘れ、怒りでちゃぶ台を『ガシャン!』とひっくり返す……。
……という気短な物書きさんはいないと思いますが、折角ですから、今回はこの悩みの解決法について私なりに語ろうと思います。
ああ、ちゃぶ台はきちんと片付けてからね。
──私達は頭の中で考えて小説を書いていますが、頭で考えながら直に文章に起こすという作業には欠点がちらほらあります。
あなたは寝ている時に夢を見て、朝起きたらその夢の内容を完全に把握していますか。
おぼろ気になり、断片的にしか覚えていないと思います。
そして、時間が過ぎるとその内容を忘れますよね。
人間の見る夢は、脳が色々と考えていた機能をリセットするためにやっている事務的な行為であるため、そうやって自然に忘れていくようになっています。
これを小説として、置き換えてみましょう。
今、私が書いている1000字程度のエッセイとかなら、書くのに慣れた方ならスイスイと書けるかも知れません。
確かに想像して直に書くと仕上がりは速くて楽です。
でも、それが一万、もしくは十万という長編大作となったらどうなるでしょうか。
余程の方でない限り、どこかで必ず行き詰まります。
そこで筆が進まない理由とは何か。
物語の情報不足です。
仕事をするうえでも闇雲に作業しても捗りません。
小説を書くにも設計図が必要です。
それが『プロット』という物です。
プロットは世界地図とも言われており、この情報があるだけでスランプになるのを防げたりします。
どこか新天地に出掛ける時に何も情報を得ずに出かけたりしませんよね。
予め、そこに行くために地図などを利用すると思います。
例えばその行く先に川が流れていて、それから先は船がないと進めないとします。
何も情報がないと、その川から進めないですよね。
泳いで渡るという点もありますが、川底が異様に深い部分があったり、そこで足を滑らせ、川に流されてしまうこともあります。
大抵は先には進めないのがオチです。
それを防ぐためにプロットがあります。
前もってプロットという設計図を作っておけば、先に川があっても何とか対策を立てて進めるはずです。
──さて、ここまで読んできて、「ああ、プロットなんて面倒くさいから頭で考えて書いていこう」というその信念は無理に曲げなくてもいいです。
プロットは生き物であり、状況によっては色々と変化させないといけない時もあるからです。
でも、メモ書き程度でもあると助かります。
たった少しの情報から、ひらめきを感じ、物語が広がる部分もあるからです。
また、車などのナビのように、物語の外れていたルートを正しく補正してくれるありがたい場合もあります。
大半の方はプロットなくては詳しい物語の内容は作れません。
面倒くさがらず、作ってみましょう。
そこから新たな物語の可能性が広がるかも知れません。
物書きには書き続ける根気も必要ですが、それに負けじと地道に情報を重ねていく細かい作業も大切です。
小説の続きが書けないのなら、その頭を切り替えてプロットから始めてみませんか。
1000字の道も1歩からです。
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