第42話 さらば、永遠のセガハードのドリームキャスト

 8月30日、セガがハードメーカーとして販売した最後の家庭用機種ゲーム『ドリームキャスト』のすべてを纏めた1つの書籍が発売となる。


 当時ドリームキャストは凄いハードだった。


 セガサターンで苦手だった3Dの強化、初のオンラインが楽しめたネット機能に、液晶画面が付き、さらに振動が上乗せされた独自のコントローラー、そして専務自らが出演したインパクトのあるTV CM。


 サターンでの敗北を期に、セガはまたもや最先端のハードを登場させた。

 セガは常に流行の最先端を突き進み、他のハードメーカーと訳が違ったのだ。


 サターンもだったが、このドリームキャストの力も凄まじかった。

 すぐさまセガ名義で様々なゲームを投入してきたのだ。


 斬新な映像で度肝を抜かれたシーマンに、スピード感が増したソニック、サターンから人気だったサクラ大戦の新作、大人気アーケードからのバーチャロンなどなど。

 セガだからこそ出来た多彩なジャンルに多くの者の心を虜にした。


 それだけではない。この後もビックなソフト発売でファンに衝撃をもたらした。


 バイオのオリジナルの新作、グランディアの続編とサターンでは出来なかったフルポリゴンでの映像作品を次々と世に産み出した。


 それだけではない、セガはサターンでお得意だった2D機能をこのハードでも生かし、感動のノベルゲームも世にもたらした。


 久遠の絆、Kanon、メモリーズオフなどの鮮やかな2D表現をパソコン画面に繋げることにより、更なる高画質を楽しめる機能をディスクに詰め込んだのだ。


 これを機会にドリームキャストは早くも最高のハードだとファンを唸らせ、爆発的にヒットし、誰しもがセガのハードがプレステを追い抜き、日本一のメーカーだと思わせた。


 しかし、ここでも野望は打ち砕かれた。

 SONYによるプレステ2の発売である。


 しかもただの新作ハードではなく、前作のプレステのソフトが楽しめ、ゲームや音楽だけでなく、DVDやBDの映像が観れる機能を付けたのだ。

 時代はゲーム好きだけでなく、映画などを気軽に楽しめる幅広い年齢層をターゲットにしたのだ。


 そして、次々と再入される有名ソフトの数々。

 サターンでの失敗を恐れたのか、前線で活躍していたゲームの続編達もプレステ2へと移行し、あのドラクエの新作さえもプレステ2で販売となれば話にならない。


 これを期にセガは思ったようにハードが売れずに赤字になり、やむを得ず、このドリームキャストをもって、ゲームハード業界から撤退し、ソフト作りに専念することになった。


 今も思うのだが、もしドリームキャストでもサターンのソフトが再生できたら、さらに売れていただろうか。

 赤字でも新作ハードを出したら少しでも報われただろうか。


 その闇も今回の書籍で語ってくれるのか?

 一人のセガファンだった者として、刻々と発売日が待ち遠しい。

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