第30話 女神のカフェテラスをようやく手にして

 今、人気上昇中の週刊少年マガジンからの漫画『女神のカフェテラス』。


 一時は品薄でAmazonでも紙の本が二倍の価格(千円単位)で販売もされていたが、この月の中盤になってようやく入手できたこのラブコメ。


 今回はこの作品に対して、少し語ろうと思う。


 この作品は数々のヒット作の『涼風』や『君のいる町』などを重ねてきた瀬尾公治せおこうじさんによる新作漫画であり、ラブコメが好きな人なら知らない人はいないほどの有名漫画家さんである。


 今作品はちょうど10作という節目のある作品でもあり、またもやファンの心を掴んでくれたが……。


 ……早くも、この作品は漫画からのパクリではないか? の説が浮上した。


 主人公が某有名大学生で、ヒロインも5人、ましてや主役の桜花おうかのパワフルツンデレ娘の存在が、あのヒロインと似すぎている……というのがネットで騒がれた。


 だが、時は令和時代。

 そんなヒロインの人気も今一で、おとなしめな娘達が人気になる時代。

 作者さんも意図的にやったのか、そこの所は謎のままである。


 しかし、この作品も相変わらず瀬尾ワールドが全開である。

 第1話からあられもしない格好のヒロイン達と遭遇し、いきなり空き巣かと勘ぐられ、捕らわれる様子。


 よくありがちなテンプレだが、そのキャラの容姿、性格などがよく描けており、スムーズにページが進む。

 これは長年培ってきた作者さんの技量というものだろうか。


 ──5人いるヒロインの中で、私が気に入ったのは流星りほ


 チャラい感じの女子大生だが、中身はしっかりとしているお姉さん。

 おまけに誘惑もしてくる肉食系。

 身長もそんなになく、A型。

 私はこんなキャラに弱い。


 それに比べて主人公、はやとの愛想の無さ。

 こんな素敵な女性陣と1つ屋根の下で暮らしているのに、パワハラ、セクハラ、口が悪いなど何でもあり。


 世界は自分中心で回っていると思っている自己中な男。

 でも、本当は素直で嘘がつけないまっすぐな性格。


 最初はその性悪な隼にトゲがあり、突っかかるような感じだったが、

『まあ、世の中、色んな人がいるよな』と思いながらも、あっという間に読んでしまう。


 ──そんな安定した世界観を誇る作品だが、1つだけ気になることがある。


 こんなに面白い内容なのに肝心の単行本が店に置いていない。

 私の近所が田舎だからかと思いきや、どこの店にもないときたものだ。


 最近は電子書籍の方が人気があるせいか、人気作でもそちら側に引っ張られてしまう。

 

 紙の本を手に取り、飲み物でも嗜みながら、ゆっくりとページに指を滑らせ、読書する感覚に酔いしれる。


 その行為が面倒だと思う人々が軒並み増えていく。

 時代の移り変わりを感じさせる。

 こればかりはしょうがない。


 私の書く小説もWebなのだから……。


 ──いらっしゃいませ。

 カフェテラス・ファミリアへようこそ。


 あなたも5人の女神達のいるお店に来店して、最高のもてなしを受けませんか。


 何度読み返しても納得ができる内容。

 これからも目が離せないラブコメ作品の1つだと私は思う。




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