第22話 椎名へきるという素晴らしい曲との出会い
私は色々な曲が好きだが、今回はその中でも女性声優の曲で、今もなおよく聴く『椎名へきる』に触れてみたいと思う。
若い頃から歌手活動を始めて、歌えるアイドルとして活動し、プロ野球の始球式に出演したり、当時の声優としては異例の単独武道館ライブを行ったりと、当時から彼女の存在は軒並み目立っていた。
だが、私は昔はTVやネットなどのメディアの情報には無知で、彼女に対しての電波は広げていなく、偶然、CDショップで見かけたアルバムが今後の運命を左右することになる。
そのアルバムは彼女の最大のヒット作品となった五枚目のアルバム、『Babe blue eyes』。
あの名曲の応援歌、『Graduater』も収録された作品でもある。
その頃、邦楽のバンドにガッツリはまっていた私にとって椎名へきるの曲は起爆剤でもあった。
これまで女性声優では、モエモエな声優系の曲しか知らなかった私のド胆を見事に打ちぬいたのだ。
クールにて力強く、パワフルで男性が歌うような荒削りのロックサウンド。
私は狂ったように彼女の曲に惹かれていった。
しかし、私は、このアルバム以外に興味を示すこともなく、再び、他のロックな音楽家の色々な曲を聴きあさっていた。
そんな中、偶然にもはまっていた漫画作品がTVアニメになるという情報を知り、TVに釘付けになっていると、そこでファンタジー色な彼女の曲が流れたのだ。
自身最大のシングルヒット作になった、あの『-赤い華- You're gonna change to the flower』である。
それから私は椎名へきるという様々な曲を知るために幅広く彼女の曲を聴いた。
そこに生まれたのは切ない歌詞にリンクする等身大の彼女の声。
まだ十代にも満たない彼女が、こんな色気のある歌を歌って本人は意味が分かるものなのだろうか? と思いながらも、彼女の昔の曲も聴いていた。
しかし、当時の彼女の作品は世には出ているも、入手困難な楽曲も多く、すべての曲が聴けるわけでもなかった。
1stアルバムの『Shiena』などは高価で販売され、手にした現物は傷でボロボロという悲惨な時期だったことが今でも胸に滲みる。
そして、彼女の知名度をさらに上げた楽曲が登場する。
『PROUD OF YOU』、あの名作ゲームからのED曲である。
これまでの彼女の曲にはなかった、このトランシーなバラードは良くも悪くも多くの波紋を呼んだ。
こうして、人気にさらなる火がつき、近年発売した1から7のアルバムをリマスター収録し、さらに映像作品を加えたファンの希望で発売された豪華なアンソロジーBOXの誕生。
昔のレアな作品がこのような形で発売され、ファンには嬉しい限りだ。
目を閉じ、楽曲に耳を澄ますと色んな感情が浮き彫りになる。
椎名へきる、ロックでクレイジーで、時に色気があり、切なさを帯びながらも可愛らしく変化するボーカル。
ただの声優の曲と侮ることなかれ。
まだ彼女の曲を知らない人は要チェックだ。
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