第132話 あんた、どうだい俺の格好いいところをみているかい(まだ始まったばかりですよ)
わたしがまだ、戦ったことのないバケモノたち。
それはつまり、わたしがまだ倒したことのないバケモノたちだということだ。
ミドリが言うにはわたしがいままで倒してきたエゴグラムなんとか――名前忘れた――とは、ちょっとひと味違うらしい。
たしかにちょっと見ただけで、これまでの連中とはひと味違う一味だというのがわかる。
まず見た目からして全然違う。
わたしがこれまで戦って倒してきバケモノたちは、みんな二足歩行の犬みたいな外見をしていた。
そこにそれぞれちょっとした違いがあったかもしれないけど――意識したことがないからわからない――、どれもだいたいおんなじような姿をしていた。
けど、このバケモノたちは違う。
どれもこれも見た目がバラバラで、おんなじ外見がひとつもいない。
たとえば全身の骨がむきだしの、ガイコツだったり。
代わりに全身がウロコでおおわれた、足の生えた魚だったり。
もうそんなの関係なく、体中が岩みたいなものでできていたり。
どれもこれもとっても
・・・・・・・・・ダメだ、めんどくさいな。
とにかく、わたしの両手両足の指の数を足してもまだ足りないくらいの数がのバケモノたちが、この世界に来ていた。
そこにはふたつの明確な、意思と意志をもって。
なぜなら、このバケモノたちは
どいつもこいつも手に手によりどりみどりで、様々な武器を構えている。
それは剣だったり槍だったり斧だったりトンカチだったり弓矢だったりと、とにかく種々雑多。
それが業物なのか安物なのか、わたしの眼ではわからない。
だけどそれはまるで、いろんな種類の武器の見本市のようだった。
そうしてそれこそが、バケモノたちがこの世界に来た理由の証明。
このバケモノたちは、自分たちの世界から逃げてきたわけじゃない。
この世界に、
そして
ただ単に自分の世界から逃げてきて、自分たちの好きなことだけやり散らかしていた
この連中には
闘う意思と、殺す意志。
闘志と殺意をもって、そんな連中がわたしの世界を侵食するためにはるばるやって来ていた。
その証明と証拠が、手にした武器となってあらわれている。
そんな長旅を経て、この世界にたどり着いたバケモノたちがどうなっているかというと。
「ヒャッハー!!」
あたりに響く、何だか世紀末のような怪物さんの楽しげな雄叫び。
その怪物さんの拳によって、まるで畑につったってる
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