第118話あんた、なんだか私のことを忘れてないか(そんなのちょっとくらいいいじゃないですか)

 そんなの嫌だ。

 それだけは嫌だ。

 いつまでたっても決してこない、「いつか」を待ち続けるだけなんて。

 決してありえないない「いつか」を、思い描いているだけなんて。

 そのあいだ、ひたすら怯えているだけなんて。

 、そんなことしかできないなんて。

 そんなこと、絶対に嫌だ。

 自分のこころを恐れるだなんてこと。

 自分自身を怖がるだなんてこと。

 そんなこと、わたしは絶対認めない。

 わたしが自分に屈してなんてやるもんか。

 わたしが自分に潰されてたまるもんか。

 自分とは、わたしにとっていつでも最強の切り札であり。

 どんなときでもわたに最大の答えをもたらえてくれるもの。

 そしてなにがあっても、

 わたしの想いを実行し。

 わたしの気持ちを実現する。

 そのためのかけがえのない手足であり。

 うまれてからずっと遣い続けてる、使

 それがわたしを不安にさせて、不安定にして、

 そんなのは、わたしが絶対許さない。

 じゃあ、どうする。

 どうすれば、わたしは自分を思い通りにできるのか。

 いままでのわたしなら、ここからさきへは進めなかった。

 膝を抱えてその場にうずくまってるか。

 それともおんなじところをグルグル廻り続けるか。

 あるいは一度は通った道で、行ったり来たりを繰り返すのか。

 どれにしたって、ここまでだった。

 ここよりまえへは、踏み出せなかった。

 だけどいまのわたしは、

 ここからさきへ進むため、まえへ一歩を踏み出せる。

 楽に気楽に軽やかに、なにがあっても前向きに。

 むしろ前のめりくらいで丁度いい。

 肝要なのは、思い悩むことをやめてしまうじゃない。

 いつまでも引きずって、後ろを向くことじゃない。

 肝心なのは、想い詰めたことを悔やむことじゃない。

 行く先を妨げる障害の前で、立ち止まることじゃない。

 大切なのは、とにかく速く次のステップに移ること。

 そのためにわたしの邪魔をするものは、それが扉でも壁でもひとだろうとも突き破っていくだけだ。

 いままでは、わかってるつもりでどうすればいいかわからなかった。

 やれると思っているだけで、ホントはできなかった。

 だけど、いまのわたしは言える。

 どうすればいいのかなんて。

 そんなことは簡単だと。

 いまの自分を。

 乗り越えること。

 いまの自分に。

 打ち勝ってみせること。

 こんなことは簡単に。

 いまのわたしはやってみせる。

 だからわたしはもうもっている。

 わたしのこころに巣食った「いつか」という蜃気楼。

 そのを振り払う、答えをわたしはもっている。

 それをわたしはに、わたしなかに見つけている。

 わたしのなかの、自分に教えられている。

 どんなときでも答えはいつも、わたしのなかにあるんだから。

 とても単純で、だからこそ一番難しいその答え。

 だからこそ、乗り越え打ち勝ったそのさきに。

 ただ単純な、強さだけが残るその想い。

 ミドリのことを信じ抜く。

 それこそがわたしの答え。

 、なににも負けることのないわたしの最強の切り札なんだから。

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