第94話わたし、魔法少女になりました そのごじゅういち(わたしの意志で知りたいことがあるんです)

 ホント、わたしはなにをしたんだろうか。

 わたしがなにをしたかはわかってる。

 ホントにわたしは、なんてことをしたんだろうか。

 ミドリになにをしたかはわかってる。

 わたしがミドリに、やっちゃいけないことをしたのはわかってる。

 とっても悪いことをして。

 そうしてミドリを傷つけた。

 すっごく酷いことをした。

 そうやってミドリにキズをつけた。

 、やっちゃいけない、ことをした。

 でもそんなの全部、わかってる。

 だってわたしはそんなの全部、わかっててやったんだから。

 わかってるのに、やってしまったんだから。

 ううん、違う。

 こうじゃない。

 この言い方は

 これじゃあただの

 これまでとなんにも変わらない。

 いままでとおんなじだ。

 だってこんな言い方したら、

 思った通りわたしには、やり直しなんて無意味みたいだ。

 やってしまったことを違う結果にことなんて無理なんだ。

 やっぱり何度やってもおんなじように、変わらず同じことをするだけなんだ。

 それが、いまのでよくわかったよ。

 これでまた、ひとつわかったことが増えていく。

 いつも通りに、自分の嫌なところばっかりが。

 そしてそのたびに思い知る。

 わたしは自分自身を思い知る。

 わたしは自分の嫌いなことを平気でひとにすることができる。

 そんなホントにどうしようもない、ろくでもない

 ミドリと初めてあったとき、お互いのことを知るのはとても大事なことだと言っていた。

 わたしは最初、そんなのどうでもいいとだと思ってた。

 だけど、いまではわたしもおんなじように思ってる。

 大事なことだと、思ってる。

 だってわたしは思ってる。

 ホントにこころから思ってる。

 ミドリを知るために起こってくれた

 ミドリがホントはどんなやつなのか、ちょっとでも気づけて少しだけでもわかった気になれるのは

 その気持ちを感じられることを、ホントにこころから嬉しく思う。

 だからわたしはもっと知りたい。

 ミドリのことを全部知りたい。

 そのためなら、なにが起きてもへっちゃらだと。

 そのためなら、

 だけど、ミドリはどうなんだろう。

 こんな嫌なところしかないわたしを知って、よかったと想ってくれるんだろうか。

 嬉しい気持ちになってくれるんだろうか。

 わたしのことなんかにちょっとでも気づいたら、少しでもわかったから、

 それは道端に落ちてる小石をひっくり返したときのよう。

 その裏側にこびりつく腐った泥をみたように。

 そこに蠢くたくさんの蟲をみたように。

 汚れたものを、みるように。

 気持ち悪いと、思うだろうか。

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