第14話 新たな能力の方向性に気づき始めた僕②
ここは居住区画、男性専用トイレの一室。
トイレに設置された魔道便座に、ゆったりと腰を落ち着けていた。
「うぅっ........」
ふ─ぅ、気持ちよかった。
座り心地の良い便座の温かい質感に酔いしれる。
朝にする毎日の日課を終えたから、束の間の爽快感に酔いしれてみた。
因みに毎日の日課とは、朝のオナニーのことだ。
若いからすぐに溜まるんだよな。
また、爆発したら恥を欠いてしまうからね。
だもんで、甘い授業の情景を思い返し、それを元に白い液体を消費してみた。
多分、しばらくは大丈夫だと思う。
ひと仕事終えると、僕の秘所部に備え付けの香水が振りかけられる。
「落ち着くな~.....これからは、ここが僕の唯一のオアシスになるのか」
トイレの室内では、海底の珊瑚礁が広がり魚達が泳ぎ回る映像が、天井部と壁面を覆うように映し出されていて、さながら海の中を遊泳しているような感覚に陥ってしまう。
ひと仕事をしながら、海底の映像を楽しむなんて、中々気の利いたことをする。
「クロウル様、ま~だで~すか~」
この声はメビアナさん。トイレの外から聞こえた。
あっちゃ─、そうだった。メビアナさんと待たせてるんだった。
息子がビンビンすぎて大人しくするのに頑張りすぎたのと、海中映像の世界を目を奪われていたこともあって、メビアナさんの存在を頭の片隅に追いやっていたんだった。
ここの空間から離れるのは名残惜しい感じがするけど、メビアナさんを、
僕はひと仕事終えた手をゴシゴシ洗ってしっかり消毒し終えると、慌ててすぐさまトイレから急いで出て行く。
廊下にでると、そこは、鏡が多様されたデザイン壁が印象的な空間となっていて、天井一面には、多種多様な色合いの光石が光り輝き、幻想的な光のコントラストが床面に描かれるように映り込んでいた。
壁にもたれ掛かっているメビアナさんは、つまらなそうにしていた。
でも、僕の姿を見つけると、一瞬、花が咲き誇ったような満面の笑顔になったけど、すぐにプンプン顔に変化した。
「もう、遅いですよ~、女の子をいつまでも放置して待たせちゃ駄目なんですよ~」
プンプン顔のメビアナさんは、僕に文句を言う。
そんなメビアナさんは、さりげなく僕の手を、また握ってきた。
アァッ....息子を散々可愛がった手なんだけどなあ.....。
間接的にオナニーを手伝ってもらった気分になって、いらない想像をしてしまう。
僕の想像を悟らせないように、能面の仮面を被って謝罪の言葉を言った。
「御免ね。トイレの壁一面に海中映像が写ってたから。思わず見とれちゃって」
あっ謝り方を失敗したかも.....メビアナさんの目がキツくなった。
どうやら、怒りを買う発言をしたようだ。
「ふ~ん.....私のことを頬っておいて、
映像画像に見とれちゃったんだ~。
ふんだ。クロウル様のむっつりスケベ~。
もう、私のパンティー、見せてあげないもん」
メビアナさんは繋いでいた手を振りほどくと、ぷいっと背中を見せて顔を背けた。
実はオナニーしてましたとは言えるわけがない。
怒り方も可愛いから、もう少し鑑賞してたいけど、そうもいかない。
僕なりの謝罪の言葉を掛けてみた。
「メビアナさん、機嫌直してくださいよ、何でもしますから」
取り付く島もなかった。
「ふ──んだ、むっつりさんとは、もう話しませ──ん」
あれっ、怒ってるんだろうけど、本当に怒っている感じじゃなさそう。
これも恋人同士の駆け引きなんだろうなと思うと、胸の鼓動がときめくように強く鳴りだす。
もう一度諦めずに声を掛けた。
「怒った顔が可愛いらしいメビアナさ─ん。
後ろから抱きしめたいと思う程可愛いメビアナさ─ん。
キスしたいと思う程素敵なメビアナさ─ん。
僕の声、ちゃんと聞こえてますか──」
「聞こえませ──ん」とメビアナさんが僕に聞こえるように言う。
聞こえてるでしょ。絶対に。
「怒らないでよ、機嫌直してくれるんなら、何でもするよ」
メビアナさんは、勿体ぶるような仕草で僕の方に振り返る。
「じゃあ、クロウル様にずっと聞きたかったんだことがあるんだ~。
それに、真面目に答えてくれたら、機嫌直したげる」
それで機嫌が直るなら、安いもの。
「よしわかった。答えよう」
と言った僕に対して、メビアナさんがニヤリと笑みを浮かべ.....。
「クロウル様に聞きたかったのはね」
「エッチのこと」
「何、エッチって......」
「クロウル様って女の子とのエッチ、まだしたことないと思うんだ!!」
「私の予想、当たってるでしょ~」
「どうですか~、クロウル様?」
ズバリ、僕の本質を付いた質問だった。
メビアナさんの予想は当たってる。
僕は、女の子と付き合ったことはあるんだけど。
でも、純愛プラトニックラブなお付き合いしか、してこなかった。
なんだけど、この質問は超答えにくい。
というか、こんな質問を女の子のほうから、してくる方がビックリだ。
女の子を目の前にして告白するには、とても答えにくい質問なんだよな。
好きになりそうな女の子に向かって、正直に答えていいものなのか。
其の辺が非情に悩みどころなんだよなあ。
「うっ....え~っと」
言葉が詰まって、直ぐには口から出てこない。
「クロウル様ってバリバリの童貞なんでしょ~
もう、解ってるんですからね~。
証拠は色々上がってるんだから」
ここぞとばかりに、追求の手を緩めないメビアナさん。
「ここはもう諦めて、素直に吐いたほうが楽になれるよ。
もう、クロウル様。いつまでも、黙ってないでさ~。
全部話して、自分の罪を認めて楽になってください」
メビアナさんは、僕が犯罪を犯したように、問い詰めてきた。
「今なら、まだ、やり直せますよ~」
やり直すって何を?
まあ、いいや。多分お約束の言葉なんだろう。
観念して白旗を挙げた僕は、降参の意思を示した。
「....正解」
「やった~、流石は私。エッヘン!!」
感情表現を素直に見せるメビアナさんは、その場で大きく手を挙げて喜んだ。
「やっぱり...わかるの、そういうのって」
「うん、モロバレだったよ♡」
「あの状況で弾けない男の人って、
そもそも女の子に興味がないか、童貞の二択しかないもん」
「やっぱ、そう見られてたのか」
「うん、カチコチの演技してたから、すぐに解ったよ~」
「クロウル様の演技が初々しかったから、みんなで物陰に隠れてワイワイお喋りしながら見てたんだ」
「そっか─。それって子供扱いされたってこと?」
「そうかもね♡」
「でも、安心して♡」
「あそこにいる女の子達、全員が処女だから」
えっと、そうなんだ。
でも、これって何て答えを返すのが正解なんだろうか。
分かんないから、ここは、スルーしとこう。
「そして、私もまだだもん......」
「クロウル様と一緒で......まだ未経験、エヘへ♡」
「つまり、私達は同志でお仲間。同類なんだよ」
メビアナさんが僕と手を繋いでくれた。
「えっメビアナさんも......その.....経験してないんだ」
同類だったら、心が通じ合う事が出来そうな気がしてくるな。
「うん、そう、だからさ~.........」
何なに?もしかして、デートの約束?
「初めて同士で、試し合いっこしてみよっか?」
マジですか?
全然心が通じ合っていないような?
本当に同志なんですか?
僕は、純粋な恋愛希望なんだけど........。
メビアナさんは、どうやら、すぐにでも快楽の世界にいきたいらしい。
僕の息子は、お仕事の機会が巡ってきたと勘違いしたようで、すぐさま復活を果たした。
はやすぎだろ。おい、息子よ。しっかり休みな。
今日会って直ぐって、どう考えても急ぎ過ぎじゃないの。
しかもお互い初心者なんだから、もっとお互いを知ることから始めたほうがいいと思うんだけど。
ん~っと、どうやったら、解ってもらえるんだろう。
「えぇ~っと....今はちょっとまずいというか.....」
「何というか.....他の子達も待たしてるし」
「僕も上手く出来るか解らないよ。それでもいいの?」
メビアナさんは、僕の下半身に目を向けると「ふふふ、元気、元気」と喜びの笑顔を見せる。
「ねぇ─え、触ってみてもいいかな~」
これは、僕の息子を触ってみたいということだろう。
何?これ?虐め?絶対触った瞬間に発射すると思うんだけど。
それくらい敏感なお年頃だから、今は、そっとしておいてほしい。
なので、ここはキッパリと断るっきゃない。
「それは駄目。そうするとまたズボンが汚れるかもしれないから、勘弁してよ」
「大丈夫、大丈夫。汚れたら、また、洗浄魔法使ったげるよ」
息子に直接視線を注ぐメビアナさんは、凄く触りたそうにウズウズしてる。
どんだけ、息子に興味津々なんだろうか。
そんなに見つめられると、視姦されてる気分になって変に感じてしまう。
息子も勘違いして、どんどん元気になるからやめてほしい。
「メビアナさん、お願いですから、そんなに誘惑しないでください」
「今は時間も無いですし、トイレの側ってのも雰囲気ないですって」
「それに、女性のメビアナさんから、誘われてするのは....」
「男の僕が情けないというか、だらし無いというか...」
もう、頭がこんがらがって、何を言っているのか解らない。
でも、メビアナさんのことが嫌いじゃないのは、理解してほしかった。
「ふ──ん、私とするのは嫌じゃないだ」
「なら、今回はこれで大人しく引き下がって、クロウル様を開放してあげよう」
「うふっ、クロウル様って可愛いね。い~こ♪い~こ♪」
そういってメビアナさんは、僕の頭をまた撫でてくれた。
「クロウル様だったら、優しくしてくれそうだから、
いつでも襲ってきてもいいからね」
「.......が...頑張ります」
「じゃあ、最後に私の腰に腕を回して、抱きしめて」
「それで、お互いに仲直りしよっか♡」
「え──っと、でもそれって、恥かしいんですけど.......」
「も──う!!
奥手のクロウル様に合わせてあげてるんだよ。
私達、もうキスした仲なんだから♡
そんなの今更なんだからね。
ね─ぇ、早くしないと、また不機嫌になっちゃうよ」
「わかりましたよ、じゃあ、動かないでくださいね」
恥ずかしい気持ちを必死に抑え、メビアナさんの腰に手を回して軽く抱きしめ、メビアナさんの茶色の瞳を真っ直ぐ見詰めた。
「......これでいいですか?」
この体勢はやばい。メビアナさんの胸が当たる。
柔らかいし、匂いにクラクラするし、吐息が当たる。
これは、幾ら何でも近すぎじゃないか。
メビアナさんの早い鼓動の音も伝わってくるし。
この鼓動の音から、メビアナさんも強がっているだけなのが解った。
メビアナさんも、僕と同じように緊張しているのが、バレバレだ。
「いい感じ。最高で─す。
それじゃ~本日2度目のいっただっきまぁ~す♡」
その言葉を言い終わるとメビアナさんは、またキスをしてきた。
相変わらず強引なキスだけど。
「チュッ......レロレロ....チュッ」
唇同士が交わると、途端に、優しい口付けに変わりゆく。
蕩けるほどの幸福感に飲み込まれそう。
このままじゃ、また、負けてしまうそうだ。
証拠にもなく僕の息子は元気一杯でエネルギー満タン。
もう、完全に伸びきって、いつでも発射準備OKの体制だ。
これ以上のことをされたら、また、ズボンの中央にシミができる。
本日2度もメビアナさんを相手にして果てるのは、恥ずかしすぎる。
きっとこれは、男の
ここは1つ。朝の授業の成果を見せる時。
50人弱を相手にした技をメビアナさんにも体感してもらおう。
「じゃあ、僕もお返しです」
まずは、唇と舌から魔力を少しずつ注入して送ってみる。
「んん──ん、あ──ん....」
少し魔力を流したら、そこでしばらく流すのを止めてみた。
すると、力を込めて抱きついてくるメビアナさん。
「はあ、はあ、はあ、止めちゃ嫌っ!!もっとして♡」
とても荒い吐息を僕に吹きかけてきた。
彼女の両目が、キラキラと煌き、潤んでいるのが一目で見て取れる。
よし、いける。勝機が見えた。
「駄目です。まだ、メビアナさんに許して貰ってないからね」
ちょっと意地悪をしてみた。
「あれは嘘。別に怒ってないから。もう許してあげてるもん」
「だからお願いだよ。もっと頂戴♡もっと沢山愛して♡」
「じゃあメビアナさん。沢山上げますから、僕の実験に付き合ってくださいね」
実は、魔力注入の新しいやり方を思いついてたんだ。
今は誰も見てないし、いい機会だと思う。
魔力注入の新しい可能性。
それは──。
口から魔力注入ができたんだから。
両手からでも、魔力注入できるんじゃないかと思って。
それを試してみたかったんだ。
「何?実験って.......」
赤らめた顔をコテンとするメビアナさん。
やっぱり可愛いなあ。
その表情をずっと見ていたい。
「こんな風に手から魔力を送り込んでいく実験です」
さてと、実験開始。
第一被験者はメビアナさん。
メビアナさんの背中に手を添えると、そこから魔力注入をして、一気に流し込む。
すると、メイド衣装越しでも解るくらい、激しく腰がビクンビクンと暴れだす。
「あぁ~ん、何これ~、うそっ、はあぁ、はあぁ」
「どうですか。背筋に沿って魔力を注入してみました」
「凄いぃぃ、気持ちいぃぃ、気持ちいいぃぃぃ~~」
とても、素敵なコメントをいただいた。
「次の実験は、左手でメビアナさんの胸を揉んで、そこから...」
左手から魔力を直接注入するんだ。
メイド衣装越しにメルビナさんの胸を優しく揉む。
ああ、マシュマロみたいでふかふか。気持ちいい感触。
ふかふかマシュマロさんに、魔力注入をして一気に流し込む。
「ああぁぁん...何これぇぇ~...らめぇぇ~いやあぁぁ~」
すると、衣装越しでも感触で解るほどに、乳首がピンと立ってきた。
どうせだからと、ピンと立った乳首に集中して魔力を注入してみると、
「らめぇぇ~..でちゃう..でちゃうぅぅ~...イックぅぅぅ~」
最高のコメントが返ってきた。
メルビナさんは、僕の腰に回した腕を強く引き寄せてくる。
彼女の頭を僕の頭に寄りそう姿勢になると、耳元で刺激的な発言を連発する。
「うぁああぁ~っイクぅぅ~~ッああぁっ」
あわれもない卑猥な言葉を絶叫したかと思えば、あっと言う間に絶頂に達して果ててしまう。
「.........」
余り魔力を注入していないのにも関わらず、この威力。
白目を向いて昇天したメビアナさんは、足腰の力が喪失し、ずるずると崩れ落ちていく。
さんざん練習したから、こんな状況は手馴れたもの。
すぐに、両脇に手を差込むと、抱き抱えるように支えた。
「実験は大成功、お疲れ、メビアナさん」
メビアナさんから甘酸っぱい匂いがしてくる。
刺激的な匂いだ。その匂いを嗅ぐと、男の征服欲がむくむくと沸き立ってきた。
沸き立つ欲望を、自制心を必死に奮い立たせて押さえ込む。
気絶したメビアナさんを見つめていたら、息子も仕事をさせろと少し液を流し始める。
だが、それは却下する。
息子も仕事をしたがっているようだが、今は許可出来るわけがない。
気絶してるメルビナさんに許可もなく手を出すなんて、最低の男がすることだ。
そういえば、さっき、許可を貰ったかもしれないけど。
それはそれ。これはこれ。
メビアナさんもきっと、気絶してる時のことまでは、考えていなかったはず。
そういうのって、お互いが愛し合う時にするものだと思う。
気絶してる相手にするのは、やっぱり、どう考えても自分自身の事しか考えていない行為だ。
メビアナさんの行為を足蹴にすることは、僕に出来るはずがないだろう。
このままでは何だからと、気絶してるメビアナさんの瞼を閉じて唇に軽くキスすると、一度は夢見たお姫様ダッコをしてみた。
「さてと、よっと、メビアナさんって以外と軽いな」
「こんな子が彼女になったら、最高なんだけど....」
「そうすると、オスカ義母さんの企みに嵌っていくのは、確かなんだよなあ」
「このまま押し切られる状況に進んでいくと、どうな運命にたどり着くのかな?」
それにしても、まさか迷宮の
幾ら貴族の血筋にドラグロア王族の血筋が欲しいからと言ったって、もう少し他の手段を選んで欲しかった。
このままここで暮らしていたら、近い将来、欲望に負けてしまいそうに思えてならない。
「さて、さて、これからどうしたものか」
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