苦痛③


 クソ,こんなに強いなんてしかも痺れの能力によって体が全然言うことを聞かない。


「どうした? 攻めてこないなら此方から行くぞ」


 その言葉どうりにリストは,僕の溝うちあたりを殴ってきた。


「グカッッああぁ痛っった」


「だろうな,さっきよりも強く殴ったのだからな」


 さっきのは,全力ではないのか? こうなったらもう反撃することもできない,出来る限り攻撃を避けたいが避ける範囲にも限度がある。どうすればいいんだ? 


「もう一発行くぞ,無能が」


 と言い僕を殴ろうとしたその時


「やり過ぎだよ!リスト!顔は,あんまり殴っちゃダメだよ!」


 とハリスが言った。


「やめろ,まだ俺は,こいつで遊び終わって無いんだよ」

「だってあんなに痛がっているんだよ!流石に止めた方がいいと思ったんだよね!」


 何でこいつが止めるんだ? まさか俺を庇ってくれてるのか? いやいやそんなはず無いそれならもっと早く止めているずなのに一体こいつは,何が目的なんだ? するとハリスは,此方に近づいてきた。まさか俺のことをリスト同様殴るのでは,ないかと思ったがそれは,杞憂だった。


「大丈夫かい? エルスタリオくん? 可哀想だねこんなにやられて」


「いや,大丈夫です。こんなにやられてしまうのは,自分の能力がない所為だからしょうがないかなって」


「そんなこと無いよ……あっこんな顔が腫れてるじゃないか,早く倉庫に行って顔の腫れを治さないと行けない倉庫に行こう」


「おい,まてハリス,その無能を治すと言ったか? まだ遊び終わって無いのに治すのは,どう言うことか? 説明してくれ」


「分かったよ」


 そう言うとハリスは,リストに何か耳打ちをしに行った。何を話すかは,聞こえないが俺を治す理由でも話しているのだろうか,そんなことより何故ハリスは,僕の事をこんなに良くしてくれてるのだろうか? そんな事を考えていると話は,終わった様だ。リストは,とても神妙な顔をしている。それに比べてハリスは,嬉しそうな笑みを浮かべていた。


「エルスタリオくん! リストとの話は,済んだから早速倉庫で怪我を治しにいかないか?」


「はい,分かりました。」


「エルスタリオくんは,可哀想だね,こんなにいろんな人から酷い事言われて…別に同情している訳じゃないんだ!でもまた誰かに何か言われても僕は,ずっと君の味方だからそこは,安心して欲しい!」


「何でオーブルス様は,僕にこんな良くしていくれるのですか?」


「ハハ,オーブルス様なんかじゃなくて下の名前のハリスで良いよ」


「呼びすて何てとても出来ません」


「……それじゃあ2人きりの時ならハリスで大丈夫だよ。2つ目の質問は,うーんまぁ倉庫に入ればわかるからね。その理由が」


 何か倉庫に僕と関係してるものが何かあるのかな? 


「ほら,倉庫に着いたよ,さっさと入って」


「は,はい」


中に入ってみるとそこには,治療道具などなく何も置いておらず,ハリスに尋ねて見ようとするがハリスは,何故か必死に鍵を掛けている。すると鍵を掛け終わりハリスは,此方を見てきてこう言った。


「やっと2人になれたね! エルスタリオくん!」


 


 

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