苦痛①
食事が終わり屋敷の掃除をする為使用人部屋を出るとスターストが待っていた。
「おい,無能。今日は,俺の友人を連れてきたから,さっさ庭に来い! 来なかったら追放だぞ」
「申し訳ありませんがスタースト様,このものは,使用人のため今から屋敷の清掃を行う予定なので何とぞ,ご容赦下さい」
頭を下げながらエンリは言う。
「まさか俺に逆らうのか? 孤児だったのに父様から拾って貰った分際で!」
「そう言う訳では,ありません。予定があるのでそれが終わればこの者を好きにしても構いません」
「チッ,……まぁ良い。俺も少しやることがあるからな」
と言い怒りながら庭の方に向かって言った。
「何で僕の事を庇ってくれたの?」
「さっき言ったでしょ部下の責任は,上司のものだって」
「でも,僕の事を庇ったらこの家を追い出されるかもよ?」
するとエンリは,笑いながら言う。
「フフ,いいのよ別に追い出されても働き口なんて,私頭が良いからいっぱいあるの」
「そうなんだ」
「そんな顔しちゃダメよ辛い時は,楽しい事を考えなきゃ……ほらさっさと行くわよ,屋敷の清掃をしなくちゃ」
「ちょっと待ってよ」
「ダーメ,待たないわ」
・ダイニング
2階のダイニングに行くとそこには,さっきスタースト達が食べていた食器や調味料が散らかったまま置いてあった。
「こんな……汚かったのか……なんかごめん」
「そうよ…いっぱい食べるのは,いいのだけど片付けやすいように揃えて欲しいわ」
と呆れながら言っている。
「それじゃあ,あなたが食器を揃えたり,調味料を片付けなさい。私は,洗い物をやるから」
「うん,分かった」
〜〜〜30分後〜〜〜
「こんな感じか」
「そっちも終わったのね」
「あぁ,勿論」
30分かかってたが何とか終わったが途中調味料がどこにあるのか知らないって言った時は,めっちゃ怒られたな。
するとスターストがダイニングに歩いて来ていた。
「やっと終わったか,無能がさっさと庭行くぞ。もう予定は,無いはずだからな!使用人!」
「は,はい」
「よし,行くぞ無能」
と無理矢理連れて行かれた。
その時のエンリの顔は,何故か少し寂しそうにしていた。
・庭
庭には,スターストを含めて3人の男がいた。1人は,金髪で赤眼のいかにも熱血そうな男でもう1人は,青色の髪に碧眼でメガネをかけて此方を睨んでいる。
「おい,さっさと挨拶しろ無能が」
「ケルイン家使用人のエルスタリオと申します。以後お見知り置きを……それで其方の御二方は,一体?」
頭を下げると
「これだから無能は」
とメガネをかけている男が言う。
「私の名は,上級国民が1人ヴァルハラクス・リストだ。天に値する至極の名だ覚えておけ」
ヴァルハラクス家は,【蜂の異能】の名家であり現当主の息子は,神童と言われている。
「何だ? その自己紹介は?」
「カッコいい良いでは、ないか?」
「まぁいいや,俺も一様上級国民の1人で
オーブルス・ハリスだ」
オーブルス家は,何をしてもびくともしない【象虫】の名家で此方も神童と言われている。
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