変わってしまった日常①
・翌朝
ベットの上で目を覚まし天井に目を向けるとそこは,白一色で背中を起こすと両手に激しい痛みが走るり思わず
「クアッ!」
と声が出るほどのものだ,周りを見てみると白を基調にして黒や濃い緑などのシンプルで直接的なデザインが特徴の部屋だ。
昨日は,スターストに模擬戦で両方の前腕を折られた後は,夕食を食べず直ぐに寝た。勿論疲れと言うのもあったが今日1日中に色々な事があり過ぎた。『大虫神の儀』では,【ハズレ異能】を受け取り 実の兄に追放されかける。
まるで物語の話の様だな。 だが現実は,そんなに甘くは,なくいきなり自分の欲しい【異能】が使える様になる事やましてや【下位異能】が覚醒して【上位異能】になることも無いなどと妄想をしながら,両腕の激痛を我慢してやっとの思いでベットから出てメイドに僕の服を着替えさせようとするのだが,黒髪のショートカットで20代前半のメイドの女に
言う。
「なぁ,僕は,今両腕が骨折しているからいつもの様に僕に服を着せてくれないか?」
「いやそれは,出来ないわよ。だってあなたは,ケルイン家の貴族じゃなくてただの使用人でしょ? 何で私と同じ地位の人に何の利益も無しに服を着替えされるのを手伝うのは,嫌よ」
なるほど,もう既にメイド達にも僕が【ハズレ異能】を受け取り,使用人に扱いされている事も知られているのか。
「分かった,銀貨1枚渡す,これで良いか?」
「いや,だめよそれじゃあ普通のパンを1個買っただけで終わりよ,うーんそうねぇ……じゃあ銀貨10枚か金貨1枚どっちが良い?」
「それは,いくら何でも酷すぎじゃないか? 金貨1枚何て,使用人が持つにしては,とんでもない金額だぞ!」
実際使用人の月収は,銀貨50個である,他の職業よりも稼ぎは,少ないがご飯や家まで着いてくる為総合的に見てみると,使用人の方がメリットは,高いらしい。
「じゃあ,あなたの着替えを手伝わないわよ?」
さっきメイドに両腕を骨折しているなどと言わなければこんなことには,ならなかったのだろうか? いや違うな僕のことを使用人扱いされているのを知っていたのだから既に骨折していることも知っている可能性が高い,そしてこのことを流したのも多分スターストだ。
「わ,分かった。金貨1個出すだから着替えを手伝だってくれ」
「そうよ,わかれば良いのさっさと金貨をこっちに渡しなさい」
金貨を渡すとメイドは,いつものように着替えを手伝うが服は,いつものラフな服では,なく使用人が使うスーツだった。着替えが終わるとメイドは,部屋を出て行った。また憂鬱な1日が始まるのかと思いながら,自分の部屋を後にしてダイニングに向かった。
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