結果②


「聞きましたか! 母様,父様やはりこの無能は,【上位異能】が取れずましてや下級国民が持つ【下位異能】すら取れないしかも【ハズレ異能】を受け取ったのは,ケルイン家の恥です追放すべきですよ!」


 長男のスターストは,此方を不気味な笑顔でチラチラと見て来ている。


「そうだな,スターストお前の言う事も一理あるな,我がケルイン家が上級国民と言われている理由は,絶対的な異能の力だそのため『人類最強兵器』とも言われている,そこに【上位異能】でもましてや【下位異能】すら取れない【ハズレ異能】もちなど,【ハズレ異能】では,【異能】が進化すら出来ないではないかしかも特殊系と来ればどのステータスも上がっていなとなると……」


「そうよ,私たちが今までこんな生活をしていたのも全て【上位異能】による物なのに【ハズレ異能】を受け取るなんて……追放すべきよ!」

「待ってください!父様! 僕が【ハズレ異能】を持っていたしてもちゃんと血が繋がっている,家族じゃないか追放はやめてよ!」


 自分でも少し目が涙ぐんでいることがわかる。


「血が繋がっているなら,何故?【上位異能】を授かる事が出来なかったのだ?あと私は,もうお前の父親ではないしかしだな,実のところエルスタリオお前には,期待していたのだがな頭も賢く,剣術も天才的で眉目秀麗なのだが,異能が【ハズレ異能】となれば,話は変わるがそんなに言うなら追放は,勘弁してやる」

 

 安心したのも束の間その男は,とんでもない事を言い出した。


「そうだな……では,お前は今からこの家の使用人だ俺ら家族の命令は絶対だ……あぁ,後許嫁のアリス嬢との婚約も解消だ分かったか?」

「流石にそんな条件は,余りにも酷くありませんか!」

「はぁ? 無能の分際で傲慢すぎるぞ,こんなにも良い条件無いと言うのに,そんな嫌なら,今すぐにでも追放するぞ!!」


 と言いわれ頬を叩かれる。

 クソッ! こんなゴミみたいな内容普段なら,絶対断っているのにしかもアリスと婚約破棄なんて嫌だ,でも僕には,追放をされたら【ハズレ異能】しかない,死ぬ運命しか見ないからやはり従うしかない。


「分かりました,父……いやご主人様何なりと御命令を」


「そうだそれでいいそしてちゃんと感謝しろよこの俺の


「ご主人様の慈悲深い心に感謝申し上げます」

 

「父さんこの使用人ってさ,いつでも命令していいの?」


「あぁ,そうだないつでも命令していいぞ」


「やったー! 流石父様だ,じゃあ早速命令する。まず,俺と模擬戦をするぞ」


 という言葉を聞き何を言っているんだこいつは,と思った。一般的に【上位異能】と【下位異能】は,農民と騎士くらい実力が離れている,ましてや俺の【ハズレ異能】では,その差は,言い表せないくらい大きいが従うしかない。


「はい,分かりましたスタースト様,それでは,庭に移動しましょう」


「うるせぇ! 言われなくても分かってるさっさと行くぞ無能」




 

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