ボーナストラック、或いは太郎の没稿

ボーナストラック、或いは太郎の没稿

 

 

 

 やってしまいましたなー。


 やってしまいましたですなー。

 

 

 方々、さてこの始末、如何にせん、ん。


 はい、まずXXXさん。

 

 何故伏字。

 

 いやほら、さいきんは後ろから読んじゃうヤツも居るから。

 

 何とメタなw。

 それはほら、いや神だけに、まあ。

 で、XXXはん。

 

 

 いがった、はあ、まあそれは。

 

 数千年振り?、それはうんうん、そうねえ。

 あ、○○〇さんは。

 

 あー。

 敢えてノーコメント、所謂好意的中立、と。

 まーおまんの立場ではそれ以外ないわなあ。

 でも寛大に、うん、まあねえ。

 

 

 で、主役お二方からは以上、と。

 

 さて。

 

 さて。

 

 さてさて。

 

 いや、まあ、その。 

 

「何よ、いまさら」


 深香は、彼女は。

 

 ああ、お判りだろうか。

 

 ここでこのハナシは冒頭、

 つまり今に時制が移るのだ。

 

 で、必死に慣れないキーボードを叩いている、

 ホームポジションを踏めないだけで流石に一本指打法ではないがな。

 叩いて来た、

 今あなたが読み進めたところまでだ。


 ずいぶん悩んだんだ、これでも。

 こっからは俺の個人事情。

 蛇足、自己満、オナニー、言い訳。

 物語とは関係ない、読者には無関係な裏事情。

 ぶっちゃけ読み辛かった? 。

 そうだろう、むしろ、そうした。

 だって、ここまでなんとか放棄せず辿り着いた勇者、諸賢。

 荒唐無稽以上に、開いた口が塞がらない、そうだろうそうだろう、無関係な第三者として俺でも初読ならそうなるだろう。

 

 三人称の皮を被った私、山田太郎の私小説、

 それが、この一連の文字列の正体、

 そういう事になるだろうか。


 つまり、この作品のタイトルは、


 『龍神、御沼の微睡み』、


 とかそのへんということになるのだろうか。

 それを自分、山田太郎がチラ見した、そういう事だ。

 変格胡蝶の夢モノオチ、とでも。

 

 だって一介のタクドラに過ぎた情報量、

 知らんがな、ああ知らんがな。

 自分で打刻しながらまったくわけがわからないよ!

 せいぜいネットスラングやサブカル節なり適宜インサートして混ぜっ返す、

 私、太郎、語り部の役目はそれくらいのものだ。

 あからさまな、信用出来ない語り手。

 読者各位も何かのトリック、ギミック、違和感、不自然な表記揺れ諸々、

 まあこれがその正体、

 これが私の、語り手の素性だ。

 疑問、質問、事実誤認、窓口は総てあの龍神、御沼へどうぞ。

 

 なるほどね、

 でも何故こんな回りくどい事を、と、

 聡明な貴方は首を傾げる事だろう、ああ全く。

 

 一つは私がこうした文章を綴るのが初めてだという理由から。

 私の名は山田太郎、私は埼玉県は武蔵野、

 見沼に長年封じられていた龍神、

 御沼の依代として、

 神と意識を共有した男だ、

 これは私の備忘録、その物語となる……。

 

 などと滔々流麗に流し語る様な技量は、

 到底望み得るものでは無かった、恥ずかしながら、

 

 御沼の意識から得た断片的な事実を時系列にソートして、

 ただただ列記していく、既にお読み頂いた形状が私唯一の手法だった。

 

 そして本件が、私の私事であると同時に、

 あー、

 

 『御沼事件』とでも呼ぼうか、

 

 文字通り神ならではの、

 私も深香もその時点では知り得なかった事件の全貌を描くもの、

 で、あるので、

 私の心情描写や価値観の提示は、

 あ、いや、何より素人の書き物であるので、

 一部誤解を招く、

 誤読の可能性を敢えてそのままに書き著した諸々もあるが、

 総て殆ど神の言葉の受け売り、

 神聖言語の、私の微力を尽くした日本語訳、

 

 他、ずいぶん固有名詞、登場人物が絞られた小説だなあ、

 という疑問は、コレ、御沼の興味が向かなかったのかどうか、

 私まで情報が届かなかった事による。何か仮称を付けても、

 良かったかもしれないが、それはそれで登場人物そのものは、

 膨大であるので、筆者にも読者にもめんどうこのうえない、

 さすが神の判断は正しかったのだろう。

 

 等々。

 まだ私は恥を晒さねばならないだろうか、このへんで釈放します??。

 

 いや、もう、ほんとうに、

 

 初めは少し落ち着いてからと、

 でもダメだ今書けと、はい、もう尻に敷かれてますよ。

 

 確かに経時劣化により変容と忘却が進む、

 加えて神気が抜ける毎に、

 可能な理解が喪われていく。

 

 アルジャーノン、読んだ事があるか、

 アレだ、あのチャーリーだよ。

 こうしている間にも、

 思念の言語への落とし込みがだんだん厳しくなってくる。

 記憶や映像はある、しかし表現、再現、説明出来ない、

 く、なる。

 

 それどころか、だ。

 

 記憶の1ピースに神界会議がある。

 ふつう、こういう大事をしでかすには、

 神に導かれるか、

 少なくとチャネリングを通した事前許可、根回しが必要であるらしい。

 冗談抜きで、宇宙の法則が乱れる、そういう事だ。

 キクのシーンで起案、稟議、決済、社会人の常識、学生には馴染みが無いかもしれないが、コレ、世界の法則でもあるらしいんだ、つまり流出論やね、思考は現実化する、まんまコレ。

 

 で、お裁きの結果、

 俺と深香はあー。

 

 平行世界?、パラレルワールド?。

 

 国外追放ならぬ世界追放を喰らった、らしい。

 

 あれだ、升プレイヤーが垢BANされた、そういう事だ。

 

 元の世界がどうなったのかは判らない。

 

 恐らくたぶん、何も無かった事に、

 時間軸をロルバされて緊急メンテ、

 で、チーター二人がその間に消えた、と。


 この世界で同じ事は起きない、だって、

 

 氷川神社どころか、

 今俺たちがいるこの邦は、

 

 『大いなる日ノ本、及び琉球、大和、アイヌ共和国連邦』、


 通称、大日、と呼ばれる邦だ。

 

 

 あ、さいごに一つだけ、蛇足の上塗り、

 

 今回の事件、ものすごく危険が危ないターニングポイント、

 キューバ危機的シーンがあった、

 

 もうお判りだろう、

 幻の荒川決戦シーンだ。

 

 アレは本当にヤバかった、

 というのは、

 

 展開によっては唯のデウス・エクス・マキナでは無く、

 ラグナロクが勃発していたかも知れない、

 

 お判りだろうか。

 

 作中、それと無く触れたが、

 

 日本、二本、この邦の成り立ち。

 

 記紀神話、邦創り、邦譲り、

 

 大和が征服朝廷であるのは間違いない、

 ヤマタイコク、ヤマト、日ノ本、平泉、奥州藤原、アイヌ、縄文、

 

 まず出雲での邦譲り、

 つまり敗戦、そして転戦、

 そして武蔵、そう、武蔵だ。

 

 御沼のイメージを汲んでどうにかこうにか組み立てしてみたのだが、

 如何せん筆者の基礎体力が足りない、

 滅亡王朝の守護者、当事者なので、

 神ながら情報として客観化、

 ノーマライゼーションが難しかったのかもしれない、

 エモーショルなバイアスが干渉する事で、

 まして処理能力で劣る人間への伝搬が阻害された可能性もある、

 別に太郎と御沼でチャネリングした訳でもないし、

 依代としてのトランス期の魂共有の残滓でしかない訳で、

 ま、私の力量不足だサーセン。

 

 つまり、御沼もアラハバキも大和に対しては恨み骨髄、

 それを触発するような、

 マヘル太郎と大和手兵の激闘など目の前で見せ付けられたら、

 

 御沼が加勢する?

 いや、そうした戦術状況じゃない、

 

 恨みを晴らす、神が、どうすると思う?。

 

 ここで崇徳さんの事を思い出してくれ、

 天皇、現人神とはいえ人族、それでもアノザマだ。

 

 神が、龍神が、穢れを祓う、

 

 大和を祓う、

 

 大和の血を引く者、係累を……。

 さあちょっと想像してみようか。


「きゃー!!」

 突然の悲鳴に店内の視線が集中した。

 ファミレスの店内、その通路をドリンクバーから自席に戻る途中突然、男が血を吹き出し、そのまま破裂する。

 肉塊に変った男はそのまま床にくずおれる、余程ヤマトが濃く、まともに御沼の怒気、神気を浴びたのだろう。

 つまりそれは、祓われてしまったのだ。

 故に、観客がその当事者に加わるまでそれ程の間は無かった。

 訳も分からずみるみるスプラッターハウスに変じていく職場で、フィリピンから出稼ぎに来ていた派遣ウェートレスただ一人が、それでも気丈にその手にオーダーをしっかり捧げ持ったまま恐怖に震え立ち竦んでいた。

 その眼が窓外に転じられ、彼女は遂にトレイを放り投げる。

 至る場所で多重衝突を発した車両が無秩序に投げ出され或いは火を噴き、地面は車道歩道の別なく朱に染まり、遠景にも火の手、高くたなびく噴煙が無数に立つ。


 つまり、まあ、そうなる。 

 

 だが、深香には無かった、

 彼女はただ、あからさまにしたかった、それだけの事、

 

 だから、あの程度で済んだ、まあ、うん。

 

 憎しみは何も産まない、

 人は、赦す事が、

 その能力を与えられた存在である事、

 それだけは、今この場を借りて読者各位にお伝えしておきたい。

 

 深香が隣で真っ赤にゆで上がってるが、

 書けと尻を叩いのは彼女なので、ここは譲らない。


 本稿が何を目的とするのか。

 例えばそう、君たち日本人。

 エコノミックアニマル、平和教徒、無宗教無信心。

 絆? はっ。

 自らが拠って立つ何物も与えられずただただ国家の畜として日々生かされ収奪され使い捨てられ内戦並みの自殺率の中で人生の意義を迷う魂。

 君たちがその足元に目を遣り、少しは疑問を持ち、抗議の声の一つも発してみる、一人の「日本人」として有意義な人生を送るその端緒として、本稿も何某かの責を果たせる事を願う。

 

 と、建前はともかく。


 が、まあいい。

 

 とにかくここまで書き留めた、書きあがった。

 

 しかし、言ってはなんだが、それら現象、事象は実はどうでもいい事なんだ。

 

 大事な事は、今この現実、つまり、

 

 彼女は私を愛している。

 私も、彼女を愛している。

 心の繋がり、真実のみ、唯一これだけで十分、そうだろう? 。

 

 読了、有難う御座います。

 

 

 真終

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交通神話 -武蔵龍神伝説- 大橋博倖 @Engu

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