第12話


 ふしぎ国家ニッポン。

 

 次は俗に単一民族と呼ばれるその血脈を少し考察してみよう。


 三人の天皇。

 

 いや、いやいやいや。

 

 南北朝のときだって二人だから!。三人って何??。


 それぞれ、地祇系、天神系、天孫系、の名がある。

 

 記紀に云う天神系がずばり原初の神、天孫がその血を引くつまり現職の、では地祇系、とは。


 百済系が婿入りした後期大王家、エフライム族。

 扶余系、扶余依羅の初期大王家、ガド族。

 フィリピン経由のアカバ湾エドム人。出雲王朝末裔系。


 或いは。

 

 バルト海沿岸から伊平島経由で青森に渡来し、東北の十三湊を拠点に大陸産出の黒曜石貿易を営む、巨石文明のドルイド教団を根幹に持つ1万年の王朝。所謂ウガヤフキアエズ朝。

 ローマ近郊から渡来した北イスラエル族。

 百済経由で渡来した海洋民族の南ユダ族。


 よしよし、なるほどわからん。


 扶余国、新羅から列島へ渡来してきた、初期大王家を輩出した民族は、北イスラエル滅亡後にアッシリアで捕囚され、そのアッシリア陥落後にシルクロードを延々と大移動して扶余国まで民族大移動したことになるが、そのような文献記録がない点で弱い。騎馬民族スキタイと合流同化して移動したのか?。

 或いはアイデルバーグが提唱した、シルクロード商人とはユダヤ、のように商隊に合流し商業的に営みながら移住を図ったのか?。


 だが、実際にシルクロードを経済支配したのはイラン系民族のゾグド人であり、決してユダヤではない。彼らはオアシス国家を支配統治していて、ここに他民族が入り込む余地はない。


 いや。


 シルクロードはペリシテ人が作り上げた交易ルートであり、階段式神殿などの灌漑施設はエジプト由来の土木技術を駆使して彼らが作り上げた。

 オアシス都市の灌漑施設の建設は紀元前であり、そこには数百年の時間的ギャップがありソグド人が作り上げたものとは言い切れない。

 一方、ペリシテ人がパレスチナの地を追い払われたのが紀元前7世紀でありこれは符合する。


 で、このソグド人が日本に来ていた。それが安如宝という僧侶で碧眼だったという。唐の律宗の僧鑑真に拾われて師事し、鑑真とともに日本へ来朝。東大寺戒壇院で受戒後、下野国薬師寺に戒壇が設置される時に日本には授戒可能な僧侶がそれ程いなかった為、下野国へ派遣された。しかし鑑真の死により唐招提寺に戻ったという。


 シルクロードにはオアシス都市国家が存在するが、その水源は自然に出来たわけではなく、何もない砂漠地に交易ルートを作る為に計画的・人工的に作られた灌漑施設によるもの。

 そして、日本にも存在する。

 古いものでは飛鳥京跡苑池への石組み地下水路があり、南池噴水装置につながっている。飛鳥京自体がペルシャ風の様相を呈していとも云われ、古事記にはタラミタもモンケコシという中世ペルシャ語の建築用語が記載されている。

 中世ペルシャ語といえばソグド語で、シルクロードから多くのソグド人が来ていたこれが証となる。

 それ以外にも、マンボと呼ばれる日本で独自に発達してきた水路トンネル技術がある。マンボは三重県の鈴鹿山脈麓、岐阜県の垂井盆地、愛知県の知多半島に多く分布しているが、中でも三重県のいなべ近郊はマンボの集中地帯であり、確認されているもので100以上、総数は千近くとも云われている。

 

 何故、飛鳥京や尾張近郊には地下水路があるのか。何処からこの技術を導入したのか。

 初期大王家は扶余国、加羅経由で日本渡来した金首露王。新羅の慶州客家とも懇意だったと思われ、それ故に灌漑技術を取り入れることが出来たのかもしれない。


 ……素人が小説の余談で語るにはそれだけで作品化可能なほどに広大無辺な事実であり、やはりちゃんと公教育にて、プロが教科書か或いは池上彰が分かり易く説くべきである。

 

 ウェストファリア上の文脈に於いてさえ我が国は、琉球及び大和及び日の本及びアイヌ連邦、とでも命名すべき連合国家であるのだから。

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