第8話
この夜、奏太は眠れなかった。これまでのいきさつをもう一度たどっていた。
ずっと彼女がほしいと思っていたこと。長い間寂しい想いをしたこと。重ねた合コン
もうまくいかなかったこと。少しやぼったい自分を、イケメン風のルックスに仕上げ
てくれたはづきのセンス。告白しながらもおとなしく帰っていったこと。
はづきのことを考えているうちに、だんだんと新しい感情が芽生えていくのが分かった。
「ずっとそばにいてくれてたんだ、はづきさん。」
思い返すと、今までで一番長い時間をともに過ごしてきた異性がはづきだ。
「これが運命の出逢いでなけりゃなんなんだ。」
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