応援コメント

10  依存」への応援コメント

  • 「轍に大きな水たまり
     多くの生き物が集いだす」

    前話の一節は、とても懐かしい土の匂いがしました。

    僕が生まれ育った東京の郊外も、僕が子供の頃はまだまだ舗装も少なくて、学校の行き帰り、水道が通る遊歩道には雨が降ると大小の水たまりが出来て、雨が上がって日が差すと、アメンボが泳いでいたものでした。
    この辺りは、水が少なくて、江戸時代までは荒れ地で、江戸幕府が開墾事業を行って、やっと人が住むようになったのです。
    土が痩せていたから、雑木林を作って、落ち葉から腐葉土を作って。
    水田は作れないから、陸稲や雑穀を作って、野菜などの商品作物を江戸の町に出荷する。
    小学生の頃、そんな郷土の歴史を授業で習ったものでした。
    決して風光明媚という訳ではないけど、営々と長い時間をかけて築かれて来た郷里の風景が、僕は好きです。

    交通も発達して、社会の仕組みも大きく変わって、東京の風景もどんどん変わって行きますけど、大地に依存し、土の上で人が生きるその本質は、きっと変わる事はないのだろうと思っています。
    こんなものか? とも思う。自分の力の小ささに苛立ちもする。
    でも、職業や生活スタイルがどう変わっても、決して過去を捨て去って行くのでなく、前日までの営みに新たな鍬を入れて行く、人は、そんな生き方で良いのでないかなと思っています。