第5話 コノツギハオボエテイナイ
「ふむ、今日は何故か調子が良いな、ゆっくり走った気がつい、これじゃあ、あの小僧は付いてこれなかったろうに、今度はもう少しゆっくり走らないと」
「そうですよ、あとちょっとで見失う所でしたよ」
マジでこの老人普通じゃねー、俺の為にゆっくり走っていたと思うけど勇者と同じ位のスピードだったぞ、
時速50キロ以上は簡単に出してだろ!人間とじゃ無くてもう馬か魔法と競争しろ!
と叫びたい衝動を抑えつつ息を整える、流石にキツイ
「うわっ!お主、どうやって付いてこれたのじゃ!」
「どうって、後ろを走りましたけど....」
何言ってんだ、俺の為に遅めに走ってくれてたし当然じゃん?
「ゆっくり走ったといえ、村最速の儂が、ブツブツ...」
村長さんがなんかブツブツ言ってるみたいだけど俺は全く聞いてなかった、何故なら目の前に龍がいるからだ、
外見は昔話とかで聞いた通だった、細長い体をしており(大体50-100m前後?)、
4本足歩行のドラゴンとは違い龍は地面から1メートル程浮いて進んでいる。
この龍は電気龍特有の色(金色)で直径1メートルの電気のボールが横で浮遊しているから電気龍だ...........カッケー!!!
ってなるか!メッチャ怖いわ!あたったら麻痺するぞあれ!1万ボルト位だと思うから俺は死なないだろうけども。
(ある説によれば百メートル以上浮上する事もあるらしいが、珍しいから本当かどうかは誰も知らない)
因みに龍の最新目撃情報は俺のを含めるとこ
うなる、
今、567年前、1098年前、コノツギハオボエテイナイ......
「まあ、良い、お主の実力も知りたいしアヤツを倒してくれ」
そう言いながら彼は龍が居る方角を指で示した
「あれをですか?」
「ああ、大きいのは儂が片付ける」
どんだけ強気なんだこの老人は?.......
そうか、これは龍じゃないんだ、弱いから片付けろって意味だな、ならちょっとやってみるか、
そう思い龍?の方に歩み出す、俺は今ちょっとウキウキしてる
「す、凄い、アイツらに指図されない戦闘なんて何年ぶりだろうか」
そう!勇者パーテイで荷物持ちになってからの戦闘中俺はつもただの人形になっていた
「行くぞ!」
持っている補助魔法を全部俺に使う、自分に掛けるなんて何年ぶりだろうか.......今日は久しぶりな事が多いな
「じゃ無くて」
余計な考え事は止めて集中する、腰の短剣を抜き一気に距離を詰める、平坦だから一瞬で龍の目の前に辿り着くがやはり体が思うように動かない、
鈍い体を頑張って動かして龍の首に切りかかかるが、固くて剣全くが通らない!
となると思っていたのに何故か俺の短剣は龍の首をバターみたいに切り落とした、
傷のレベルを超えて一撃で殺してしまった、一瞬驚いたものの、すぐに納得した、俺の鈍い動きについて来れない弱い敵だし体が弱くて当然、きっと龍でもないだろう
そう思い補助魔法の効果が切れる前に村長のもとに戻る、
メッチャ久しぶりに戦いで楽しんだ気がする!
「あれっ、あやつ早い!?」
「村長?」
「ぬわっ!は、早くない!?」
「何を言ってるんですか?ちょっと走っただけですよ」
「何を言っとるのじゃ!龍は倒すし、人間の限界超えるし......人間も竜族にでもなったの?」
何言ってんだ、て言うかあれ龍だったんだ、もしかして弱いタイプだったのかな?
「あの龍も、久しぶりに強めの敵が来たから喜んでおったのに...........」
強いタイプだった!それにかなりの大物だったらしい
「まあ、今の事は儂の家でまた話そう」
「そうですね........でも何で龍なんて珍しい魔物が現れるんですか?」
「何を言っておるのじゃ?龍何て少し探せば見つかるもんだろ、肉屋で売ってあるのは当たり前だろ?」
.........確か龍の肉って最後に出回ったした時、国の一年分の資金と同じ価格だった様な….....よし!絶対に食おう!
◇ ◇ ◇
ローベルが龍の肉を食うと決心してから十分後、彼は村長と話をし始めていた
「まあ、さっきの事は忘れて、お主のそのスキルを丁寧に解説してくれ」
「はい、[荷物持ち] はまずアイテムボックスを使えます」
「ふむ、かなり珍しい能力を使うな」
えっ、いやいや、奴ら(クズ...じゃ無くて勇者パーテイ)と居た時の俺の扱いを見たら珍しくも何ともないスキルだって言うことが分かるだろ...
「このチート村でも珍しいんですか?」
「チート村って......まあ良い、因みにその能力は百人に一人位しか持っておっておらぬ、お主の能力はそれだけか?」
「いえ、料理、片づけ、補助魔法(大体全部)、仲間の能力&スキルのスピード、範囲、勝率上昇(2倍前後)、武器の能力上昇、回復魔法、コピー、複合.....」
「まてまて、聞き取れないし何じゃその能力の量は!」
?
「そんなに多い訳では無いですよね?全員十個以上が常識なんじゃないんですか?」
「いやいやいや、うちの村の中でも多くて3つしかないし、お主が言っていたより全然チートじゃ無いか!
て言うか知識薄いな!」
薄いと言われても、人のスキルの量気にする普通?
「でも荷物持ちだったら当たり前じゃないですか?」
そう言ったら村長さんはメッチャ渋い顔をして来た
「お主、お主以外でそのスキルを持っている人を見た事があるか?」
「勿ちろ............あれっ、無い様な....」
「じゃろ」
ちょい待って、もしかして俺のスキル........結構いい感じ
「欠点とかは無いのか?」
「欠点......ボッチって言う事ですかね」
「何じゃボッチって?」
チッ、リア充か.............じゃ無い、落ち着こう、そして殺気立つな俺!
「ボッチって俺みたいに友達が居なくて、人に無視されて、子供に馬ふんを投げられるような人ですよ..........もう分かりましたよね!!」
「ちょっ、近い近い、お前の人生が辛かったのはよーく分かった、だから一旦離れてくれ」
おっと、つい熱くなって村長さんに近づいてしまった
こみ上げてくる悲しみと怒りを抑えながら椅子に戻る
「今弱いと言ったが、全員お前より強いのか...........」
「はい.....強い筈です!(比較する人勇者パーテイーの3人だけだけど........そう言えばアイツらと戦ったこと今まで無いような.......)」
「まあ、今夜は祭りだし楽しめ」
「えっ、俺ここに残っても良いんですか!」
「逆に何で駄目なのじゃ?それに祭りもお主の為だぞ」
これを聞いたとき俺は何故か泣き始めた、もしかしたら人に無視され続けるのは以外に傷になっていかもしれない、
そんな醜い俺を村長は何もせず泣き止むのを待ってくれて泣き止んだ時金が入った袋をくれ家の外まで来てくれた
「じゃあ、今夜まで村を見て行ってくれ、その間に家を立たせておくから」
よーし、俺はもうツッコまないぞ、王都でも一ヶ月かかる事を数時間でやり遂げるなんてこの村じゃザラだと思え俺
「はいっ、有難うございます!」
そんな優しい村長に一礼して俺は村を探検しに行った、子供っぽい?うっせえわ!好きなんだよこう言う感じの探検とか
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