第109話 甲板の二人

客船が小波に揺れる 有栖達は楽しそうに話しながら甲板を歩く。


「いいお天気、風も気持ちよいわ 遊戯室でお二人が待っているわね 

遊戯室ではサンドウイッチにお菓子をつまみつつ、トランプにチエスかしらね」 

「多分、後でレストランでの夕食になるのかしら」有栖ありす


「綺麗な方たちでしたわ有栖お姉さま」嬉しそうな手毬てまり


「椿油で髪を直したけど、ちょっと乱れているかしら海風が時々強いから」有栖

「うふふ、大丈夫ですわ」手毬


甲板には日本人だけでなく異国の者たちも多い、中には子供もいる

マリン、セーラースタイルの愛らしい服を着た男の子が鉄の輪を棒で回したりして通り過ぎる、淡い髪の男の子


そうかと思えば・・

「あら?ずいぶんと変わった方達」手毬

「まあ、あれはインドの女性よ ベールを着けた、あちらは確かイスラムの女性

東南アジア方面はイスラム教徒も多いの 上海や香港で時々見たけたわ」有栖




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