第108話 客船 旅の始まり

船、客船では‥廊下で

「まあ、有栖さん久しぶり」「久しぶりね」

「エレオノールさん、春麗さん 御無沙汰しておりますわ

久しぶりですこと」有栖

二人の娘、金髪に灰色を帯びた緑の瞳の西洋人の娘に

東洋系の少女

二人に笑顔で答える有栖ありす

「上海では楽しかったわ」エレオノール「また会えるなんて奇遇ですわね」春麗

「ええ、本当に」有栖


「こちらが手紙で書かれていた妹の手毬さんね 初めまして

私達は上海で有栖さんと親しくさせていただいてたの」


「あ、あの初めてまして 宜しくお願いします」手毬は慌てて頭を下げる

求められて 握手も‥

「後でレストランでお食事でも」「遊戯室でトランプも良いですわ」

「ええ、わかりましたわ 後でまた」有栖


互いに手を振り、その場を後にする。


客船での有栖ありす達は一等客室を使う事になっていた。

「素敵な部屋ね」有栖ありす「はい、有栖お姉さま」手毬てまり

テキパキとメイドの少女たちが有栖たちの荷物を整理して

お茶などの用意をする。

今回は日本茶と羊羹ようかんに大福‥


「御準備出来ましたわ」柚葉ゆずははにこやかに笑う。

「ありがとう」有栖「ありがとうございます柚葉さん」手毬


「では、私達はこれで‥何かあったら呼んでくださいませ」

他のメイドたちは自分たちの部屋 二等客室へと戻っていた。

柚葉は今晩の世話係としてまだ残っている。


「柚葉さんも軽食をどうぞ」手毬

「いえ、あの‥」「いいから」


和やかに船の旅は始まったのだった。


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