第99話 クリミアの噂話 ちょっとした会話

またしても旅先にいる二人 ジェロームとナジムこと(ナッシュ)


小綺麗なホテルに透き通るような青い空

独特の美しい南国の花々の甘い香りに小鳥たちの声

バルコニーで朝食をしているジェローム


「南国の気持のいい朝ですねジェローム様」世話をするナジムが微笑み新聞を手渡す

「ああ、そうだな」ナジムの微笑に答えこちらも笑みを浮かべるジェローム


「店の者からの連絡で 大事な商品

品物だがオスマン帝国に繋がるルートが取れそうだ」

そんなジェロームの言葉に反応するナジム


「それは良かったです あの戦争でオスマン帝国も不安定ですから 

どうなるかと‥」


「オスマン帝国に仏蘭西、英国とロシア帝国の戦争」

ジェロームがやや寝とぼけた様子で呟く 

そう言ってナジムに手渡されたカフェオレを一口


「クリミア戦争ですね ロシアの言い分は同じ宗派の正教徒や同じ人種の保護 

ほとんど建前ですが」ナジム


「パン・スラブ主義に対抗するゲルマン主義」


「民族の問題だけでなく

本当の処は実利の暖かな地、凍らない港を求めて南下政策を始めた帝政ロシアか‥」


「あの高名なナイチンゲール女史はどうされているのでしょうか?」



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