第95話 横浜港 京矢と子爵

横浜 青い空を舞台に白いカモメたちが悠々と気持ちよさげに舞っていた

横浜港では京矢が店の仕事で 欧州から来た幾つかの荷物を受け取っている


「ああ、ジェロームさん達の手配でロンドンの店からの品物 洋酒に本」

「こちらは‥香港からのスワトウ、刺繍の商品 ハンカチにブラウス 

こちらもジェローム様からの紹介」


「アメリカからの葉巻に‥」そんな言葉を京矢は呟いていた


遠くから見えるレトロなクラッシック・カーがこちらに向かい走ってくる

小気味いいクラクションの音

「やあ、京矢君」「綾小路子爵」


「久しぶりだね」「東北方面からもう戻られたのですか」微笑しながらの京矢

「まあね 政府からの急な仕事だったけど 上手くいった」「それは良かったです」


「土産にずんだ豆の羊羹」「ありがとうございます」

「そうだ 昼食はどうされます? 宜しければご一緒に おごります」京矢


「いいのかい、すまないな 有難う京矢君」

「いいえ、洋食のビフテキ それともライスカレー 中華も横浜は美味しいですよ」


明るい青空のもとで なごやかに会話が進んでいく


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