第74話 メイド・・いえ、それは・・?

祭りのように 欧州のドラムが打ち鳴らされ トランペットなどの演奏

船の甲板と陸の見送り組 多くの者達が互いに綺麗なテープを手にして結ばれて


見送りの声

「元気で」 「手紙を・・」


見送る者達がつながったテープを手から離してゆく

あるいは 船の甲板の者達の方から互いに大きく手を振る

蒸気船の船からボオオンと音がして

ゆっくりと遠ざかる


「また 会えるといいですわね」「ええ、お、お姉さま」

そっと顔を見合わせる二人

「早く慣れてくださいね」有栖「はい お姉さま」手毬



「僕の屋敷で お茶をしないかい?」綾小路子爵

「まあ、そうしましょう」



という訳で 子爵の屋敷へと


「まあ、みきさん お邪魔しているわ」「あ、叔母様」


「あら 手毬さん 何処に行っていたのですか?

貴方がいないと 誰もまともなコーヒーを入れられない

細々とした要件も誰一人 頼りにならないわ」


「はい コーヒーを・・」手毬


「今日は 随分とお洒落ですわね

その服 かなり高価な品物、服はどうしたの?」

「ああ、御客様に飲み物を それにお菓子も・・」何も知らない子爵の叔母

梶野伯爵夫人


何も言えずに言葉を・・絶句する綾小路子爵と京矢に有栖


「コーヒーを入れてきます 皆さんの分に それにお菓子もですね」

それから、いつもの薬にお水を・・」走り去る手毬


「あの、実は…・」子爵の声が震えていた 

「私の妹はメイドはやめたのですけど」有栖

「え?」「私の血のつながった双子の妹ですから優しくして欲しいですわね」有栖



「は? 山之内様のご令嬢、有栖様どういう事ですか?」


事情を説明する有栖達

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