第75話 子爵の屋敷での事

「・・・何ですってえ!」

「え・・まさか そんな そんな事が」

子爵の叔母は天地がひっくり返ったように驚いていた


「それは・・本当に」恐る恐る聞く

「ええ、そうです」「叔母様 それは事実ですよ」


メイド服に着替えて準備を整え

手毬はワゴンからそれぞれ運んで来たものを取り出して並べてゆく


「お待たせしました コーヒーにお茶 それにお菓子です

お薬に水もご用意しております」メイド姿の手毬 完璧とも言えるサービス


「あ、あの手毬さん」「はい なんでしょうか?」

「あ・・・」


緊張した感じの表情を浮かべて

「その・・大変、失礼したみたいですわね おほほ」



「は? あの・・・」きょとんとしている手毬


小さく ため息をつき


「手毬さん 貴方は服を着替えて こちらのソフアへ 

別のメイドに

手毬さんの分を用意していただきたいと思いますけど」有栖



「あ、あ・・そうだったね すまない二人とも」

綾小路子爵 こちらも慌てている


「あ、おっと」

京矢は コーヒーのカップを落としそうになっていた


「ご、ごめんなさいね うふふ」


京矢の場合はとにかく 口をはさみたかったが 黙っている事にした



首をかしげて にっこりと笑う有栖

「貴方の姉である 私からの頼みなのよ 手毬さん  うふっ」

「は、はい」手毬

「美味しいお菓子ですわ うふふ」有栖


「早く着替えてね さあ、お茶を楽しむ時間よ」有栖

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