第73話 港‥見送りの出来事

「船は台湾にマカオに東南アジア それにエジプトのスエズ運河を通り

オーストリアを回り 船を乗り換えて寄り道で

イタリア マルタ島を渡り フランスの予定です」


「途中の滞在先にある処 その近場の小島ですが 

海の透明度がとても良く ボートなどが宙に浮いているようで うふふ」


「イタリアでは 食事もお菓子も沢山食べる予定だよ ナジム」


「イタリアのドルチェ(お菓子)にピザにパスタ リゾット・・くふふ」

その言葉に ご機嫌なナジム



「ふむふむ・・」ジェロームも嬉しそう


「シルクロード、陸路ならば・・」ジェローム

「陸路も面白いと思うが」「タマラカン砂漠ですか? シルクロード まあ、今度で・・」


「船の食事も楽しみなのですよ うふふ」ナジム


「じゃあ、行きましようか お元気で皆さん お手紙を送りますから

それに また日本に機会があれば ぜひお会いしたいです」ナジム

 

女装の姿なのに力強く 大きなトランクを4つも抱え 細身のナジムは船の中へ


続いてジェロームも

「ではまたね ふふっ ジュテーム手毬さん有栖さん」投げキス


「あの大きなトランクの荷物 それも複数」京矢

「あら、貴婦人の姿で荷物 大丈夫なのかしら?」有栖

「・・・バレるのでは?」手毬


船上の人々と港の人々を繋ぐリボン、太鼓やトランペット、バイオリンの音楽の中

やがてリボンはそれぞれの手から離れてゆく

「お元気で!」「また会いましょう!」






※日本の場合ですが 戦後しばらくまで、飛行機での移動は出来なかったそうで

船での移動、そうやってリボン?で互いの手で結び、別れの儀式をしたようです

(亡くなった父が親戚筋?の人

ハワイ在住日系人と結婚した人とそうやって船で見送った・・

&有名な明治のレデイミツコの御話を参考にしてます)

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