第52話 水に濡れた子爵と手毬
「も、申し訳ありません!」手毬(てまり)は自分のせいで、ずぶ濡れになった子爵に慌てて、抱き上げられたまま 謝罪の言葉を口にした。
「大丈夫、大丈夫だからね 手毬ちゃん だから・・
落ち着いて せっかく小川に落ちないように、濡れないようにしたのに」
微笑しながらの子爵
「え・・」手毬
「そんな調子で動かれると小川に落ちてしまう 僕は騎士のように頑張ったから」
「可愛いお嬢さんの為に頑張ってみたよ」子爵
子爵は手毬を見つめつつ 優しく言う
「あ、あの」手毬は見つめられて真っ赤である。
お邪魔虫的に 子爵の叔母は邪魔してみた。
「んん、こほん」わざとらしい軽い咳 眉がピクピク
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