第41話 フランスの騎士(ナイト) 参上?

「どういう事か 話を聞かせてもらうぞ」

「ち、違います」手毬は慌てて、そう言った


廻りの貴婦人や紳士だけでなく 警備の者達にも問い詰められる手毬


「どうしたのですか?」「あ・・ジェローム様」

泣きそうな顔で 駆け付けたジェロームを見つめる 手毬


「お知り合いですか?」


「はい 大事な人ですよ 無礼は許しませんから」

ジェロームはきっぱりと言い切る

「こんなまだ若く 幼い少女に酷い事を・・」ジェローム


「オルボワール、ムッシュ・・・」そこに話しかける異国の貴婦人

何処かで見たような面立ち 黒髪に青い瞳

「マダム・・」何やらフランス語でやり取り


「ノン、マドモワゼル・・・・」フランス語で早口で話し出して

手毬(てまり)をそれは大事そうに抱きしめる 


驚きで身動きも出来ない手毬(てまり)。


「こちらのフランス人のレデイは男爵夫人で、このか弱いマドモワゼル、お嬢さんを

虐めている事に抗議したいと言っておられます」

「い、いや・・あの」


「あら、その子の事は知っていますわ 木山男爵夫人 

うちの甥である子爵の要件をよくこなしてくれています 

泥棒を働く子ではありません」

向こうからやって来た貴婦人が扇を口元にあてながら、柔らかな口調だが

きっぱりと言った

「梶野伯爵夫人」


「ジェローム様もこの子の事を庇っておられます

よろしいですこと ふふ」


子爵の叔母だという 美しい貴婦人の登場

「‥わかりましたわ 失礼」すごすごと男爵夫人はその場を離れ

周り者達も 仕方なく場を離れてゆく



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