第27話 夢見る・・本が大好きな手毬(てまり)

仲良く談話 それから

仕事の話をして ジェローム達は立ち去った


「なんでも近隣の宿に泊まられるそうだよ」「まあ、そうですか」



「どうしたの 手毬くん」「あ、いえ 鹿鳴館の御話を聞きまして 素敵だなと」


「鹿鳴館は外交、異国との社交場だから」「そうなんですね」


「日本の殿様だった方々に家族の姫様方も来られるよ」

「・・まるで異国のお城でのパーテイなのですね」


「そうかもね」



「行ってみたいの?」「ええ、そんな 私はただの店の使用人です」

慌てふためく手毬


「・・絵物語の御話、童話だけでも十分 幸せです」赤くなってそう言う


「私にとって 本は貴重で 夢のような童話も読む事が出来ませんでしたから」

微かに涙ぐむ


優しく見つめる京矢

「・・これからは沢山、本を読んでいいからね

手毬ちゃん」


「あ、有難うございます」「さあ、まだまだ仕事だよ」

「はい」


「ああ・・本 本だわ」

嬉しくて 赤くなり涙ぐむ 手毬


「沢山 本が読めるのね」大事そうに 本を撫でる

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