第25話 京矢と手毬の会話

こちらは京矢のお店


「お店には慣れて すっかり店にはいなくては

いけない一人になったね 手毬君」


「あ、はい京矢さま」くるんと振り返る手毬


「それにまかない 

僕や店の者達の食事も最近は君の手料理だ とても美味だ」


「有難うございます」手毬は恥ずかしそうに答える


「明日の子爵様のパーテイのお手伝いも頑張ってね

僕も招待されているから一緒に行こうね」京矢


「ええ!」

「あの 同伴してもよろしいのですか?」



「もちろん」彼は小首を傾げ微笑む


じっと・・手毬を見る京矢


「あの?」不安そうに京矢を見る 手毬

「女学校では 有栖ちゃんと仲良しだと聞いたよ」


「ええ?」「本人からね 僕の幼馴染」楽しそうに言う京矢


「まあ、そうなのですね」「ふふ そう」微笑む京矢


「・・・君と有栖ちゃんは顔立ちが良く似ている 不思議だ」

手毬の顔を見ながら言う京矢



「え・・あの、あの伯爵令嬢の美しい有栖様とは私は違いますわ」

赤くなりながら手毬は答える


「これ 君が読みたがっていた童話だよ 最近、入手した どうぞ」

「まあ!」

「あ、有難うございます」とても嬉しそうに手毬は答えた


「今日はもう夜も遅い 早めに休んだ方がいい」「はい」


ふと思い出して京矢は

「本、どうしよう 明日が早いから 今度ね」

明日の事を思い 手毬は 胸を高鳴らせる



「おやすみなさい」手毬はそう言って自分の部屋へと向かう


パタパタと廊下を小走りに手毬は歩き 自分の部屋に入った


「ああ、素敵な御話の本よね また頂いてしまったわ」「それに明日 なんて素敵」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る