第24話 優しい義父と有栖の会話

夜 こちらはお風呂でくつろぐ有栖


「前に香港で 洋式のバスタブに入ったけど

あの時は お湯をバスタブに入れてもらって 泡風呂にして・・


でも日本のお風呂もとてもいいわ ふう~」



風呂でくつろぎながら 

そして自分の胸元にある 小さな蝶のような痣を見る


ちゃぽん 水の音

「・・・私の双子の妹が生きていたら 同じ痣があるはず だけど」


「・・・・私の義父様はとても優しい

義父様は山内伯爵だわ でも本当の父親ではない


父の姉だった叔母様が引き取り叔父様が亡くなり 連れ子として 

私も引き取られて」



「本来なら普通の庶民の子だった」

「今はその叔母様もいない」


「伯爵・・義理のお父様の深い愛情と優しさだけが私の支え」


「・・伯爵家の娘として 誰に嫁ぐ事になるのかしら?」



その世、寝つけずに 広間の一室で ホットミルクを飲む有栖


そこに・・・

「あ、お父様」「有栖 眠れないのかな?」優しく微笑む義父


「はい・・少し」はにかみながら有栖は答える


「少しブランデーを入れてみるかい」「有難うございます」


微量のブランデーがホットミルクに入れられる



「長い事 海外や地方勤務の仕事で有栖を付き合わせてしまったね

久しぶりの横浜だが・・まだ 馴染めないのかな?」


「いえ、そんな事はありませんわ御父様」


「子爵のパーテイは明日だが・・彼の事はどう思う?」

「え!」


「それとも 京矢君の事は?」

「兄のような優しい方です」少し赤くなり有栖は答える


「可愛い私の有栖には 亡くなった私の娘や妻たちの分まで

沢山 幸せになって欲しい」


「そして 出来るなら 可愛い孫をこの手に抱きたい うふふ」

「御父様」有栖

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