第13話 夜の庭で
それから後
男達は フランス大使館で 取り調べを受ける事になった
「やあ、ムッシュ 諸君 日本の旅館でジェローム達を襲撃とはね
これから 厳しい取り調べだ 沢山話してもらうぞ」
「さあ 話してもらうぞ ふふ」
ジェローム達と懇意にしている日本のパリ大使館の軍人の一人
少しばかり時間は戻って
有栖と京矢
京矢とお茶を楽しんでいた二人 そこに使用人が声をかける
「子爵さまから お手紙を預かっております」「手紙?」
「はい なんでもパーテイの招待状だとか」使用人
「ああ!叔母様達が会うようにと言われた あの方ね」
「あのパーテイには 僕も誘われているよ」そう言ってお茶を口に含む
「あの方は 乗馬が得意で・・そうだね
頼んでみたら 有栖ちゃんも乗せてもらえると思うよ
素晴らしい馬たちだから・・」
「ええ そうなの?」有栖
「ああ」
「それに 他の方々も自慢の馬を連れてくるはずだ」
あの子爵さまの屋敷の料理人は指折りの和食も作れるし、欧州にいたとかで
洋食のお菓子に食事は素晴らしいよ」
「僕は前にも行ったから よく知っている」京矢
「まあ!素敵!」「とても楽しみだわ 京矢お兄さま!」
「そうかい」微笑む京矢
「あ、ねえ 今晩は泊まっていったら?京矢お兄さま?」「お店には 知らせておくから」
「いいのかい?」「そうして うふふ」有栖は笑う
「ねえ、お庭を夜の散歩しない?京矢お兄さま?」
有栖に誘われるまま 夜の庭を散歩する
「本当に素敵なお屋敷」「気にいってくれてよかった」
夜空には 星が輝き 月明かりに二人は照らされている
「ロマンチック」二人は微笑む
「まるで 恋人同士みたいよね 京矢お兄さま」
「え!」「何?どうしたの?」にこやかな微笑を見せる有栖
「い、いや」
大事な妹のような存在 大事な妹
この少女は妹のような存在
心の中で まるで呪文のように 自らに言い聞かせる
それ以上は 望んでは・・そう そのはず 自分自身に呪文でもかけるかの如く
そっと心の中で思う
2021.7.20
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます