第12話 襲撃される異国の二人組

「じゃあ、またね てまりちゃん 番頭さん 無理を頼んで悪いね」 

「どうぞ お気遣いなく」番頭


それから・・

こちらは、異国の二人組



上等な宿の部屋で 話しこんでいる

「日本の風呂というのは いいものだな 

パリでは シャワーばかりだが慣れてみると 本当に素晴らしい」


「本当ですね 日本の風呂の設備は素晴らしいです」 


「今度 箱根だが あの温泉の共同風呂というのは なかなか面白い!」

「以前 怪我をしたときに 身体の治癒として イタリアの温泉プールで過ごしましたね」


「こちらは少々 趣きが違いますね」

部屋の近くにある竹包みに水が溜まり コンと音が鳴った


「今日は欧州風の部屋だが 

箱根ではジャポネスク(日本風)の部屋だ ふふん」


「ご機嫌ですねジェローム様」「そうそう あれは確保しているか?ナジム」


「はいはい! 羊羹(ようかん)に饅頭 それから おつまみの塩昆布 スルメ

日本酒も しっかりと ナジム君」「はい」


「ぬかりはないな!ふふふ」ご満悦の表情のジェローム


「はい ジェローム様」日本の茶菓子にお茶などを手早く用意する

食べ物や飲み物の前に蕩けそうな顔の二人


「あ、ジェロームさま 

あの華族の綾小路子爵さまからパーテイのお誘いが来ていますが?」

「ああ、あの彼か!」にっこりと笑うジェローム


「自慢の馬を見せたいそうです 乗馬もお好きでしたよね」


「それは なにより楽しみだ」ジェロームは言った


「僕も和食や日本の和菓子が楽しみです」「お前は相変わらずに 食い気だけだね」

「当然です」「やれやれ」


そんな彼等を見ている者達 銃を構える 照準が合う


チラリと 男達の方を見る二人


ナジムが何かを投げた 「ぎゃああ」「ひいい」小さなナイフが男の手に刺さる

銃を何処からともなく取り出すジェローム


「ジェローム様 僕が彼等をかたずけますから ご心配なく」

「悪いな ナッシュいやナジム君」「ウイ、ムッシュ はいはい」


「食べ物 お菓子ですが 

僕の分は残しておいてくださいね じゃないと後が怖いですよ」


「絶対ですよ」本気で目が怖い


「了解」「たかが輸入業の商人相手に銃とはね」

「まったくです」



「・・多分 麻薬商人あたりか 密輸入の関係者 

此処は 流石に奴隷商人はいないでしょうから」




「前、フランスの友人達に協力して 奴らのアジトを見つけて 壊滅させたから」

「どこぞの麻薬を扱うアジア方面の組織とかにも目をつけられましたから」


「楽しい仕事の旅になりそうだ」口元をゆがめつつ苦笑 

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