第5話 林檎と手毬と異人の二人組

「ああ」「パリの街かどで売られる焼き栗 あのおじさん元気かな」



コロコロ・・


「あ・・・」

「おや!」

二人の足元に転がってきたのは 林檎がひとつ


「あ! あの!」顔を真っ赤にして、地味な着物と眼鏡をかけた少女が立っている

少女は思った


まるで、物語に出てくるような 素敵な方たち

淡い茶髪のウエーブの髪 緑の瞳の二十から三十代前くらいの青年 


それに 私より少し年上の少年の方は 黒髪に青の瞳

「・・・・・」じっと観察してしまう少女

黒髪の少年さんの方は 丸眼鏡をかけているけど 顔立ちは綺麗ね


どこの国の人だろう? あ、日本語は・・


「大丈夫ですか?可愛いマドマワゼル お嬢さん」 

「御嬢さん?」にっこりと流暢な日本語で 二人は話しかける



「あ、あの・・」わたわたと慌てふためき 戸惑う


「お嬢さんの林檎ですね はい、どうぞ」「有難うございます」

林檎を手渡す ジェローム達


「ボンジュール 私達は遠い異国のフランスから来ました どうぞ 宜しく」

「可愛いマドマワゼル」ジェロームはウインクを一つ


「は、はい」真っ赤になる少女

「今度からは林檎に逃げられないようにしないとね ふふ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る