第17話 コラボ……?
私たちのやる『Among Us』というゲームは、宇宙人狼とかSF人狼とか言われてる通り、人狼ゲームに近いらしい。
人狼ゲーム自体、私がやってこなかったことも問題なんだけど、それ以上に人狼ゲームとは違ったこともしなくてはいけないから、難しかった。
ルールは、『Crewmate』と『Impostor』って言われる役割に分かれて、それぞれの勝利条件を満たすこと。
『Crewmate』の勝利条件は、見つけ出したり、推測したりして、全ての『Impostor』を投票によって追放すること。もしくは、『Crewmate』の全員に割り振られた修理をすすめ、修理ゲージを最大まで貯めること。
『Impostor』の勝利条件は、『Crewmate』を殺害して、その船内に残った『Impostor』と『Crewmate』の人数を同数にすること。もしくは、妨害工作によって、宇宙船を破壊すること。
私たちは8人なので、『Crewmate』6人に対して、『Impostor』が2人でやるみたい。
もうすぐ実際にコラボ配信が始まる。
そのまえに3回お試しでやってみたんだけど……
私、運ないのかな?
3回とも『Crewmate』でついていった人が全員『Impostor』ですぐに殺されちゃったんだけど。
φφφ
配信が始まり、改めて挨拶をする。
その後は、早速、ゲームを開始した。
「ミュートしないと……あー、あー!」
大丈夫、ミュートになってるっぽい。
ちなみに、今回は、コメントも見れないようになってる。
他の人の役割が分かっちゃうかもだから。
「Crewmateだから……修理する方か~、んー、まずは左側から行こうかな」
なんとなく。
どっちみち両方行くことになるんだけど。
「あ、だんごさんだ」
左側に向かっていると、だんごさんが少し前を走っていた。
ちなみに、だんごさんは、白色のキャラを動かしている。
「だんご」だからかな?
それぞれの色は、私は、オレンジ色。多分名前が「みかん」だから。
辛子風味さんは、赤。辛子だからだと思う。
河多さんは、水色。澄とか河がついてるからかな?
龍姫さんは、茶色。たぶん名前から。
エミさんは、ピンク。エミがピンクっぽい、のかなぁ?
ワヲンさんは、黒。
ひだりさんは、黄色。
まあ、全員が都合よく連想できる色があるわけじゃないし、仕方ない。
それに、名前も上に出てるから、そこまで気にしなくていいかも?
「こわいから、さようなら~」
とりあえず、だんごさんはスルー。
誰かについてくの怖いし、単独行動する。
「あれ、こっちじゃないや」
担当の修理場所のある方向に矢印がついてるんだけど、方向だけなので、間違えて別の部屋に入っちゃったりする。
慣れれば、こういうのも減ってくんだろうなぁ……
「ここだ、あ、ワヲンさんこんにちは」
同じ修理場所だったみたい。
怖いので、ちょっと離れて観察。
「ワヲンさんがどっか行ったら、修理しよっかな。インポスターかもしれないし」
無意味に回ったりして。
ちょっと待ってたら、ワヲンさんが離れたんだけど……
「部屋の前で陣取ってる……どっち? 絶対に逃がさないよ、の方? それとも見守ってるって感じかな? んー、とりあえず、修理した方がいいよね」
逃げようとしても、逃げられないし。
「これはー、簡単なやつだね! 1から10まで順番に押せばいいってやつ」
修理の方法は、簡単なやつが多いけど、難しいのもある。
これは、簡単なやつ。
「大丈夫だよね? ワヲンさん回ってるけど……自分のしっぽ追いかけてるのかな?」
大丈夫っぽい。
何とかコミュニケーションとろうと、とりあえず私は左右に動かす。
……違うかな?
「あー! 閉じ込められた!!」
出入口の扉が閉まった。
インポスターはそういうのができるみたい。
それで邪魔してる間に、殺したりしてた。
殺された後の幽霊状態の時に見てた。
「大丈夫? ワヲンさんだったら死んじゃう」
大丈夫……?
こんな序盤で死にたくないよ……?
……扉が開いた。
「白、かなぁ?」
殺されなかった。
「一緒に行動しよっと」
ここまで確認してたら大丈夫なはず。
フラグ的展開ではないはず。
練習の時点で、私自身の感覚に対して信用はないんだけど。
「あれ、こっちの部屋じゃないね? ここは何の部屋だっけ」
あ、カメラだ。
監視カメラ。
「うまい人なら、うまく使えるんだろうなぁ……うわっ!?」
びっくりした……
誰かの死体が見つかったみたい。
『Among Us』では、誰かの死体が発見されたときと、カフェテリアという場所にあるボタンを押した時に会議ができる。
会議の時には話し合いをして、誰がインポスターかを話し合って、投票する。
一番票が多かった人は追放されて、幽霊になっちゃう。
ただ、会議になると、見つかってない死体は消えてしまうので、ボタンを押したりするタイミングは難しいみたい。
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