第16話 連絡が来たよ

 コラボに誘われちゃった私は、準備をしていた。

 ゲーム中の会話や、普段の連絡もDiscodeというものでするらしく、それをインストールしておいてほしいとのこと。

 LINEなどの代わりに使う人も多いらしい。

 今まで全然知らなかった。


 インストールと簡単な使い方を15分くらい読んだから、必要なことは大体、わかったはず……

 とりあえず、AmongUsをするってことなので、Youtubeでいろんな人がやってるようすを見る。

 でも、Discodeの画面を映してる人が少ない。

 ミュートっていう、相手に声が聞こえなくなる機能だけ使えれば、たいてい大丈夫そうだけど。



φφφ



 TwitterのダイレクトメールでDiscodeのアカウントを送ったら、フレンド申請が来ていた。

 承認、っと。


「え」


 すぐに通話が来た。

 深呼吸~……よし。


「こんにちは」

「あっ、みかんさんですか? 承認ありがとうございます!」

「いえいえ」


 相手は、『右下みぎしたひだり』さん。

 当然イラストレーター。

 ひだりさんは、キャラクターをカッコよく描くのが得意なのかな?

 目が小さめで、切れ目のキャラをたくさん描いてる印象。

 あとは、戦闘シーン?

 武器とかも結構描いてるイメージ。


 ちなみに、ひだりさんは、不良っ娘でVtuberをやってる。

 不良というか、えっと……レディース?みたいな。

 マスク付けてたこともあって、最近はいじられてるみたい。 


「今、時間って大丈夫でしょうか?」

「大丈夫です」

「いやぁ、改めて、ありがとうございます! コラボ受けてもらって」

「こっちこそ、誘ってもらってありがとうございます」


 私から誘う勇気はないし、ありがたい。


「みかんさんがVtuber始めるのを知って、一番に誘おうと思ってたんですよ!」

「そうなんですか?」


 なんでだろう?

 正直、今まで関わりなかったのに。


「誘おうって言うと、上から目線ですよね! えっと、とにかくコラボしたいなって感じです、はい!」

「ありがとうございます……?」

「あ、意味不明ですよね! えっと、私、みかんさんを目標にして、イラストレーターになったんです!」


 イラスト見る限り、そんな感じしないけど……

 まあ、社交辞令みたいなことかな。


「ありがとうございます」

「あっ、私の事ばっかり話してても仕方ないですよね! えっと、コラボの事なんですけど、他の方の事って、知って……?」

「はい、知ってます」


 例のごとく関わりはないけど、一方的に知ってる。

 他の人のイラストを見ることは、技術向上とかにもつながってるだろうし、仕事と言えば、仕事の内なのかな?


「あー、良かったです。まあ、楽しくやりましょう!」

「ありがとうございます」


 私とひだりさんを含めて、全部で8人が参加する。


 辛子からし風味ふうみさんは、私がVtuberをはじめるってツイートした時に拡散してくれた人。

 Vtuberの見た目は、やっぱりロリ。

 幼い顔立ちに、大人っぽい服を着てる。


 早活はやかつエミさんは、ショタというか、かわいい系の男の子をよく描いてるイメージ。

 Vtuberの見た目はボーイッシュな短髪の娘。

 でも、ちゃんとというか、スカートを履いたり、見た目はちゃんと女の子。


 犬鳴いぬなきワヲンさんは、名前の通りというか、ケモミミ系のキャラを多く描いてるイメージ。

 Vtuberの見た目も犬系のキャラみたい。

 私もみかんに関係した見た目の方が良かったかな?

 小物で追加しようかな。


 澄田すみた河多かわたさんは、SDキャラをよく描いてる人で、Vtuberの見た目も黒髪ツインテのSDキャラにしてる。

 SDキャラは、一応私も描けなくはないけど、あんまり依頼が来ない。

 つまりそういうこと。


 だんごつきみさんは、大人の女性ををよく描いてるみたい。

 Twitterで、本人もお酒が好きみたいで、お酒を擬人化させたりして、たくさん女の子を描いていた。

 でも、Vtuberの見た目は、制服を着ているので、女子学生だと思う。


 けん龍姫たつきさんは、よく人間以外、人外を描いてるイメージ。

 Vtuberの見た目は、角が生えてる以外は普通の女の子だけれど、実際はスライムらしい。

 なので、たまに見た目が一新したりするみたい。

 イラストレーターの強みを活かしてて、なるほどな~って思った。


 Discodeのグループで全員と話す。

 私も含め、全員がイラストレーター。

 初対面というか、話したことがなかったので、少し緊張。

 でも、緊張しすぎてると、見てる人たちもつまらないだろうから、頑張る。


 そんな人たちの中に私も入って一緒にゲームをするって、ちょっと前というか、Vtuberにならなかったら、一生来なかった機会なんじゃないかな?

 せっかくだし、私も楽しめるといいな。

 

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