第4話

サカアガル。


–––なんで。

それは涙も出ないほど忌々しい疑

問だった。

眩しさを忘れるほどの。

だって、自分の食べるものはおい

しかった。

でも初めてみるあの子は笑ってた

んだ。

ママはいつからか見かけなくなっ

た。

でも、 あの子には一緒に笑ってく

れる人がいた。

視界が揺らいで記憶はないが其処

からは離れ、クソみたいな所に連

れてかれたんだ。

でも、どこにも居場所はないみた

いで。

飯は味がしなくて。

持っていたのは拾った10円だけ

で。

学校に行き始めると、おばあちゃ

んに引き取られた。

小遣いをもらって部屋ももらっ

て。

でも、ある時、部屋に入ってきた

んだ。

自分の部屋がわからないらしい。

しょうがないからねかせてあげ

た。

今も下で寝てるんじゃないかな。


ポケットに手を入れると冷たい

硬貨の感触が一つだけあった。






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