第3話

ドッタ。


–––最悪だ。

最近は特に酷い。

また、電話が鳴り響く。

彼奴らは人の心配しか出来ないの

か?

せっかくの休みなんだが。

少しすると電話は切れた。

目覚めの悪い朝だ。

こんなにうるさいのにおばあちゃ

は起きない。

溜息をつき、仕方なくいつものパ

ーカーに袖を通す。

小銭を拾い集め、ポケットに押し

込む。

30円と数千円を持って外に出た。

外は皮肉な事に晴れだった。

日曜大工をしてみたかったんだ。

ホームセンターへの道を調べる。

歩いて行ける距離だ。

歩こう。


涼しくも、暑くも無い微妙な空気

が押し寄せる。

木材売場へそのまま向かう。

程よい大きさを選び、カゴに入れ

る。

鋸は家にある。

後は––ロープか。

カゴに突っ込み、会計をする。


家に帰る。

手先は器用だ。

案外、綺麗に踏み台を作ることが

できた。

本を取りたかったのだ。

残ったものは乱雑にベットの下に

突っ込んだ。

ベットに座り、ロープで前にネッ

トで見たリースを作り始める。

簡単そうに見えて、意外と難しい

それを棚に飾ると、少しは部屋の

見映えが良くなったような気がし

た。

外はすっかり夜だ。

モニタを少し見て、ベットに横に

なる。

とても静かだった。

目を閉じてまた闇に呑まれながら

ふと思う。

あのロープは嫌に安かった。

チラシに載っていたのだから当た

り前と言えばあたりまえなのだが

確か、『10円セール』

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