第2話

ツマヅイタ。


––ふぅ。朝だ。

髪を押し付けながら鏡の中に会釈す

る。

パンを貪り、お茶で流し込む。

ぼろぼろの制服とぼろぼろのローフ

ァーを身につけ、足を引きずる。

『清く正しい 我らの学び舎』

今日も水を飲む。

ノートはもう無くなった。

明日の天気は晴れだそう。


今日はいつもと違うとこに向か

う。

茶色の封筒を抱え、煙草臭い道を行

く。

相変わらずの建てつけをこじ開け、

声を掛けた。

–––躓いたんだ。

我ながらドジだなと思いながら、パ

ーカーをさする。

いつも通り、右に回し左に開け、

ノブを持つとモニタが笑っていた。

10円玉を蹴散らし、イスに座って

取れかけのバンドエードを固定した

眠い私は10円玉を目線から追い出

し、闇に呑まれた。

あと何枚あったのだろう。



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