切って立って歩いて落る。

傍氏。

第1話

キッタ–––


–––替えがなかったな。

百均に寄る。

レシートと40円を丸め、ポケッ

トで入れ替えに鍵を出す。

右に回して左にドアを引く。

ギシギシいう床を歩き階段を登り

ノブを回し、閉める。

暗い部屋で笑うモニタの前に腰掛

ける。

替えを取り替え、一息つく。

今日は傷を作ってしまった。

忘れない内にバンドエードを貼

る。

それにしても今日は疲れた。

おばあちゃんももうねている。

灰のパーカーを着て横になった。

記憶が闇に沈んだ頃、10円玉

は、互いを飛ばしながら次第に

静かになっていった。



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