『言葉を紡ぐという雅』

天 下句

言葉とは?

という表現は面白いなと思った。

まず紡ぐとは、綿や繭から繊維を出し、糸にする意味である。

現代では度々言葉を紡ぐという表現で使用される。

簡単に言うと文章を作るという意味である。

これはひょっとして、果てしなくみやびな表現では無いだろうか。

理由を解説するなら、まず言葉とは何かを語るべきだろう。

言葉というものは、元々誰かと何かを共有する為に作られたものだ。

意思 感情 etc。

例えば、お腹が空いた時に「お腹が空いた」と言えば、周りはお腹が空いた事を理解、できるのだ。

楽しいと言えば楽しさが共有できる。

これら意思等を繊維と見立て、誰かと共有する紡ぐ事で初めて糸になる。

つまり、誰かが繊維を紡ぐまではただの繊維なのだ。

誰かが共有する事で糸になる。

単一の繊維独り言では意味が無く、糸になって初めて意味が有り、言葉として成立する。

だって言葉は共有する紡ぐ為に産まれたのだから。

こんな複雑で抽象的な概念を一言で表している。言葉が持つ意味はこの言葉を紡ぐという5文字に全て内包されているのが余りにも素晴らしい。

途轍も無く雅、現代風にすればエモーショナルな言葉である。

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『言葉を紡ぐという雅』 天 下句 @dsp_a

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