第2集

織姫と彦星の話はよく聞くが、あんな恋愛はリアルではあるのだろうか。

彼女と出会うまでは。


私はとある喫茶店の店主だ。コーヒーはとてもこだわっている。今日はうちの店によく来る二人の男女のお客さんの話をしよう。


男性の方は大体10代くらいで女性の方は20代くらい。二人はよく会話をコーヒーを挟みながらしている。最初はあいさつ程度であったが私を通じて次第に会話するようになっていった。時々、私も混ぜてもらっている。会話の内容は政治、経済、勉強などありふれている。次第に二人の距離は近づいていった。なんと言うかカップルみたいにみえてきた。

そこからは二人はあまり店に来なくなった。


二人が来なくなってから2年が経った。あの二人はどうしているだろう。そんな時、一通の手紙が届いた。送り主の名前には男性の名前が記載されていた。中身は手書きの文章が書かれた紙が入っていた。中身を要約すると二人は結婚したが二人の両親とのルールで一年一度それも7月7日の七夕の日にしか会えないのだと言う。無論、私の店でもだ。電話だけは許されており、ビデオ通話で顔を合わせているのだと言う。まるで織姫と彦星みたいだと思った。そして今日、久しぶりに店にくるのだと言う。

私の淹れるコーヒーの匂いが彼らの間に流れる天の川ようにならないよう私はコーヒーの匂いを逃がすように窓を開けた。そこからは優しく日の光が差し込んでいる。

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