余韻

終わった恋の余韻は


まるで初夏の夕日のように

いつまでもまぶしい光を放ち


赤みを帯びた山の峰から伸びる白い光が

心の空にまで伸びて過去の空に届く


顔を見るだけと言うわずかな願いさえ

神様から背中を向けられ


突然、ぽっかりと空いた心と胸の前の空虚に

知らない誰かのぬくもりを求める事を許してしまう



事後の余韻は、ただ終わった。という思いと

満たされないいら立ち。


やり切れない思いが

まるで重い空気の満ちた部屋の中を漂う

タバコの煙のように

心の隅まで入り込んで見えなくなってしまう


感情も意味もない言葉だけで切り上げて

部屋を出たら

すべてを忘れられる

誰かのように


思い出さなければいいのに

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