電脳退廃都市ツイッター

かつて神によって滅ぼされた退廃と堕落の都市ソドムは、

その姿を変えて現実世界にも有り続けている。

すなわち、ツイッターである。

ツイッターを知らない人間はいないと思うので詳しい説明はしないが、

一応、一言で説明しておくとインターネットスラム街である。

そんな退廃と堕落の電脳都市ソドムに私は今日も通っている。

どう考えても辞めたほうが良い、健康にも悪影響であるし、時間の無駄である。

ツイッターを行う時間で、江戸川乱歩の一冊でも読んだほうが良い。


そんな七つの大罪の隠されし八つ目の大罪、ツイッターであるが、

今日は皆様にツイッターの長所ヤク中の言い訳についてお話したい。


まず一つ目に、一回のツイート制限が140字というところである。

WEB小説でもなければ、

基本的に本というのは万単位の文字数を相手にする趣味であり、

それだけの文字数に籠められた物語は大変に面白いが、重くもある。

140字という文字数はたいそう気軽で、非常に摂取がしやすい。

ファーストフード文章どころではない、おちょこ素麺文章である。

一回のちゅる、で全部終わる。

続きのツイートを読むのだって、

おちょこサイズの素麺をお代わりする程度の労力であるのだから、たいそう軽い。


二つ目に、コンテンツのリアルタイム性である。

面白い人間は生きているだけで面白いので、

当然ツイッターをだらだらと眺めているだけで面白い。

面白人間をフォローするべきである。

そのキャラクターからは常に生きた物語が供給され続ける。

ツイッターに張り付いて見続けるしか無い。


三つ目に、拡散性である。

RTという人間が生み出した最も愚かな機能によって、

友達の友達の友達の友達ぐらい遠い関係性の相手であっても、

そのおもしろコンテンツは自分のタイムラインに流れてくる。

あるいは、自分のツイートが遠いどこかへ流れていく場合もある。

知らない人間の何かを受け取り、知らない人間に何かを伝えることが出来る。


これら三つの長所から、もしも貴方がツイッターを始めたいと思ったならば、

今すぐパソコンもスマホもタブレットもしまい込んで、

江戸川乱歩の一冊でも読んだ方が良いでしょう。

ツイッターは時間の無駄です。

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